「責任野党」って本当にあるの? --- 天野 信夫

2016年07月04日 06:00

再生した民進党の姿を見せる、と岡田民進党は主張します。現実的な経済再生と安全保障の処方箋を示す、とも言っています。できるでしょうか。

共産党や社民党は今のところ政権をとれる可能性がありません。責任ある立場につく期待や心配のないところからなら、いくらでも勝手にものが言えます。自民党とは正反対の主張を党の政策として明確に示すことができます。その明確な政策は一部の根強いファンからは支持されますが、残念ながら政権の選択肢とはなりません。純粋ではあっても現実的ではないからです。現実的ではないと分かっていても、野党としての立ち位置を明確にするためにはその政策しかありません。結局、万年野党となります。

共産党はこれではまずいと思ったのか、民進党に秋波を送っています。だから憲法違反の自衛隊の存在を当面認めると言い出しました。少し現実的になりました。

本当は現実的ではないにもかかわらず、俺たちなら実現できるという幻想と期待を振りまいたのがかつての民主党政権です。言っていたことをやろうとしたら、結局できませんでした。かえって混乱しました。だから政権は頓挫しました。

現実的な政策は自民党がみなやっています。政権党には責任があり、現実的に(つまりは不純に)ならざるを得ないからです。民進党がもし現実的な政策を提示しようとすれば、自民党と同じような政策になって違いが分からなくなります。野党ではなくなります。反対に、民進党が野党として自民党とは異なる政策を目指そうとすればするほど、現実的ではなくなり政権の選択肢にはなれないでしょう。

現実的な政策を提示するのか、それとも自民党とは異なる理想の政策を目指すのか、民進党はこの二つの勢力を党内に抱えて苦しんでいます。理想(純粋)と現実(不純)の葛藤です。野党でありつつ現実的で責任ある政策を提示するって案外難しいことですね。

責任野党って本当にあるんでしょうか。

天野 信夫 無職(元中学教師)

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