2045 未来の学びアイディアソン

「2045年 未来の学びを考えるアイデアソン」。
デジタル教科書教材協議会DiTT主催、NPO「CANVAS」企画協力で、東京・赤坂にて開催しました。

1人1台、クラウド、SNSによる「スマート教育」がなかなか実現しない中、もはやデジタル技術はビッグデータ、IoT、ロボット、AIへと急進しています。未来の学校、未来の学びをどうデザインするのか。想像と創造が今こそ求められます。

2045年、人工知能が人の力を超え、自立していく。
いわゆるシンギュラリティ。
その時代を見据えて、学校を、教育を、学びを、考えてみよう。

まずは子どもの部。
30人の子どもたちが未来の学校や学びの環境を出し合ってもらいました。

今の学校に不満は?まずそれを聞きました。
「給食がマズい。」「体育館が寒い。」「学校が遠い。」
うん、それは切実ですな。
「ケータイやタブレットが使えない。」「教科書が重い。」
うん、デジタル屋が仕事します。

「先生が自分勝手だ。」という声も。「エアコンをつけるかどうかを勝手に決める。」「おかわりを食べてしまう。」「漢字を間違えると合ってるのも書き直しさせる。」「自分が忘れ物をする。」先生、ワークショップってのを開くと、こんな声があふれてくるんですよ。

こんな思いを解消しよう。
まず提案されたのはデジタル教育。
「全員タブレットは当たりまえ。」
「マンガ・ゲームで勉強できる。」
「みんなのノートを共有する。」
「有名人と勉強する。」
「昔の人とiPadで歴史を学ぶ。」

「理科室ならぬ「社会室」では、世界360度で世界が見られる。」
「空中に絵を描けるクレヨン。」
「思ったものをタブレットが書いてくれる。」
うん、このあたりなら実現できると思うよ。
「勉強しなくても頭に入る機械。」
キミたちは頭に入れる必要さえなくなるのかもしれないよ。

「世界の先生とバーチャルでつながっている。」
「先生がいない学校。」
「授業がない学校。」
MOOCsが当たり前ってことだよね。学校がいらなくなるね。
「実際にコミュニケーションするために学校があるんです。」
学校は対話と共創の場。子どもは、わかっています。

ロボットを求める声、多数。
「1人1台ロボット。」
そうか、PCよりロボットか。何をさせるの?
「そうじしてくれる。」
「給食を配る。」
「ドローンで配膳。」
「休んだとき学校に行ってくれる。」
かなりこき使うつもりだな。

男子はスポーツ系も。
「絶対打てるバット。」「速く走れるサッカー用ブースト。」「キーパーの手がデカくなる。」
このあたりは超人スポーツ協会としても話をうかがいたい。

「最強スーツ。スカイモード、アクアモード、スノーモード、ダークモードがある。ダークモードだとオーラが出る。」
オーラ出したいわぁ。

移動革命を論じる者、多数。
「ワープしたい。」「風船で飛んでいける。」「家の前に学校が現れる。」「ロボットに乗ってく。」
東京の子たち、私学の子もいて、学校が遠いというのが切実みたい。

「すべり台で登下校。」
あ、これ、ケツが痛くなってもいいからぼくも大学までそうやって通いたいっていつも思ってる。
気が合うな、キミ。

「給食を選べる。」「ハーゲンダッツが出る。」「体育館が床暖房だ。」「男子が女子トイレに入るとブザーが鳴る。」
なるほど。毎日のリアリティーの中から出てくる貴重なコメントだ。

「排気ガスを吸ってくれる。」「ゴミを分別する。」
こういうコメントが多かったんだけど、ぼくらの頃には思いつかなかったな。空気はぼくらのほうが汚れていたけど。
エコ志向ってのは、ホントにそれを願っているの?大人の顔色をうかがって言ってるんじゃなくて?

「ダメな先生を訴えると、放課後その先生はセンターに送られて、優しい先生になって帰ってくる。」
恐らくこれが最も連中のニーズが高い未来。恐ろしや。
Les Enfants Terribles!


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2016年7月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。