ロッテは東京ドームで初主催ですが、大丈夫ですかね

2016年07月12日 06:00

どうも新田です。選挙も終わりましたし、ロッテの話でも書きましょうか。といっても、メインのお題は、親会社のお家騒動ではなく、今夜開催のこの記念試合の話です。とりあえず、ご盛況だったようでおめでとうございます。

ロッテ、東京ドーム初主催試合は完売 球団最多動員は確実(デイリースポーツ)
http://www.daily.co.jp/baseball/2016/07/11/0009275752.shtml

ほへー。チケット完売で当日券販売なしというのは、さすがに驚きましたわ。あいにく、まさかの都知事選勃発で、どちらにせよ観に行けない身ではありますが、都心在住マリーンズファンとしては、わざわざ幕張まで行かずともホームゲームを楽しめるので、昨年冬に初の東京ドーム主催を聞いて行ってみようと思っておりました。

ただですね、同時に釈然としなかったのも事実です。

というのも、ここ10年ほどのマリーンズはホームタウン主義を徹底し、他球団のように本拠地のマリンスタジアム以外で、軽率に地方でのドサ回り興行なんかやらなかったので意外でした。しかも初の東京ドーム開催の名目がマリーンズ誕生25年目の記念、つまり、川崎時代のオリオンズから千葉に移転して現チーム名に変わって四半世紀のアニバーサリーということで、なおさら、東京に越境する理由に合点が行かなかったわけです。

そのあたりの背景について、スポーツ紙で何か書いてあるのかいくつかネットであさってみましたが、案の定、ビジネス取材の知見に乏しい野球記者が、きちんと書けるわけでもないので解説が見当たず、もうちょっとググってみても専門家等の解説が見当たりませんでした。

なので、元マリーンズ記者としては「知ったか」と言われるのを承知で、敢えてあれこれと推測するわけですが、もともとファンの間では、特に総武線沿線在住の連中からすると、「ぶっちゃけマリンフィールドより東京ドームの日本ハム戦や巨人戦のほうが行きやすい」と昔から言われておりました。まあ、今の球場は、海浜幕張の駅からも歩いて行くには遠いし、アクセスの問題はずっと引きずっていたわけです。

私が番記者だった6年前に日本一になったのを最後に、マリーンズはチャンピオンフラグから遠ざかっているわけですが、2011年の東日本大震災で球場が破損し、偉大なる堀幸一選手の引退試合が中止となり、最下位低迷の影響もあって観客動員は前年比14%ダウンの133万人。そのあと去年までの4シーズンもパッとせず、123万→126万→122万→132万という感じで、震災前の150万台には回復してません。前述の幕張でのアクセス問題に加え、千葉エリア全体を見渡しても、常磐線沿線や成田等の県内東部方面から電車で海浜幕張を目指すには、乗り継ぎせねばならず、時間も余計にかかり、県内全域にロッテ愛を注入しづらく、地域球団としての定着度に課題が残るという指摘もいまだにたまに聞きます。

そういう中での東京ドームでの初開催試合。実はマリーンズと東京ドームを巡っては、微妙に因縁がございまして、これも私が現認した2009年のボビー追放騒動の折に、千葉から余所に移転するんじゃないか?という憶測が広がり、当時の夕刊紙なんかでは、その余波で「日本ハムが北海道に行ってしまったから、その後釜を狙っている」説、あるいは「ドーム移転は自治体との交渉材料に使うフロントのブラフ」説もありました。

梅雨時のみ、東京ドームを使用するという選択肢もあるのでしょうが、今回の「越境」試合というのは、頑なに守ってきたホームタウン主義から一歩踏み出た、ある種のテストマーケティングとしての位置付けなんでしょうか。つまり、常磐線エリアや都内に在住するマリーンズファンの掘り起こしという部分を見据えているような気がするのは、穿ち過ぎですかね。

ただ、それにしても昔、本拠地にしていた日本ハムのみならず、ソフトバンク、楽天、オリックスが東京ドーム主催試合やってきたわけですが、ロッテもこれに続きまして、あとは西武だけになりました。まあ、ハムの札幌移転後、パ・リーグ空白地帯となった東京としては、たまに顔見せ興行やる営業的意味はあるでしょうし、都内の親会社社員のレクリエーション&自社ロイヤリティー強化イベントの意義もあるのでしょうが、ロッテについては球団と親会社のシナジーが見えづらく、ユニクロあたりに球団身売り説が絶えなかった中で、一連のお家騒動が鋭意継続中であります。

さらに、ここにきて韓国で創業者の長女が逮捕され、前政権との癒着も指摘される刑事事件も勃発し、球団オーナー代行は東京ドームに来たくても韓国政府に出国禁止中ということで暗雲漂う中での記念試合。チケット完売でとても浮かれている状況ではなく、東京ドーム初開催試合は、球団経営の成り行きの展望もろもろ、深謀遠慮か、悪戦苦闘なのか、いろいろ憶測してしまう契機になりました。

ちなみに、少し昔の本ですが、パ・リーグ各球団の経営を考える上でこちらの本はおすすめです。ではでは。

パ・リーグがプロ野球を変える 6球団に学ぶ経営戦略 (朝日新書)
大坪正則
朝日新聞出版
2011-03-11

 

 

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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