事故招くポケモンGOに安全規制を

2016年07月26日 17:00

予防措置とらねば損害賠償請求を

スマートフォン向けのゲーム「ポケモンGO」があっという間に、世界の39か国・地域に広がり、夏休みということもあって、日本でも列島中がブームで沸いています。ネット時代に生きる開発者の知恵に感心しながら、ゲームに限らず、世界はこうして劇的に変わっていくのだろうなと思うと、恐ろしささえ感じます。

将来、無限の活用方法、応用方法が予想され、当然、肯定的に考えるべきでしょう。と同時に、ブームが過熱しすぎて事故が各地で起きています。重大事故が起きる前に、開発会社に予防措置を義務付ける必要があるでしょう。自動車事故などで何兆円、何千億円もの損賠賠償請求が起こされる米国で、きっと訴訟が起きる違いないと思っています。

米国のベンチャー企業と日本の任天堂グループの共同開発ですから、共同責任を問われかねません。そんなことが起きる前に、ポケモンを採取できる場所を制限するとか、危険な場所に接近したらディスプレー上に警告がでるとか、ポケモンが消滅するとかの予防措置をとるべきでしょう。これだけ事故が広がると、利用者責任だけにとどまらず、開発者責任にも波及するのではないですか。

出現場所の設定が無責任

メディアの情報をみますと、世界各地でブームに熱狂している様子、路上の交通事故が多発している様子などがもっぱら報じられています。私が最も関心を持つのは、ポケモンが出現する場所、場面をどうやって設定しているかです。飲食店、デパートなどを設定すると、ものすごい集客効果を期待でき、開発会社は見返りに対価を受け取れるそうですね。ブームをあおっておいて、最終的には集客ビジネス、広告ビジネスに持ち込むのが狙いでしょう。

どのスマホにもついているGPS(全地球測位システム)で利用者がどこにいるかを把握し、開発会社が設定した場所に近づくと、キャラクターが表示されると、解説されています。マニアはそれをキャッチし、昆虫採りのように収集することに熱狂する。設定場所をどういう基準で選択したか、危険な場所は排除しているかなどについて、開発会社は手の内を明かさないのでしょうか。メディアは肝心の点を掘り下げていません。

今朝の新聞には、東京メトロ千代田線ホームの端、電車が発着する位置すれすれに、ポケモンが出現するとの記事が載っていました。開発者はスリルある場所だと知って、設定したのでしょうか。線路に落ちて、死亡事故でも起きたら、歩行者の一方的な不注意の結果だったで、済まないでしょう。

危険個所をなぜ禁止しない

自動車運転中にポケモンゲームに熱中し、追突事故を起こすケースも続出しています。自動車道路を始めから設定し、重大事故に発展した場合、やはり開発会社の責任も問えると、思います。法律家優位の米国社会では、弁護士連中がすでに手ぐすねを引いて、待ち構えているに違いありません。

東京メトロでは、駅構内に「歩きスマホをやめよ」の表示があるそうです。さらに「安全に関わる場所にポケモンが出現続ける場合には、配信元に削除を要請する」といいます。そんなことを要請するくらいなら、関連の交通法律を探し出して、「駅構内を設定することは即座に厳禁する」となぜ、しないのでしょうか。

無人飛行機ドローンが開発され、空爆にも活用できる時代になりました。日本でも関心が高まっているさ中、官邸の屋上ドローンが落下(恐らく不時着)しているのが、何日も経って発見されました。安倍首相は「切れ目なく日本安全保障体制を整える」といっていた時です。その「切れ目」が首相の頭上にあり、恥をかきました。対応が遅いのです。

ポケモンGOは、情報技術(IT)によって作った人工世界と、身近な現実世界を一体化させる「拡張現実(AR)」。仮想の飛行機を仮想の操縦席で操縦し、パイロットの訓練システムに活も用しているそうです。ドローンも「拡張現実」も予想外の活用方法が将来、登場するでしょう。素晴らしい技術なのですから、開発会社はブームをあおり、荒稼ぎすることだけを目的にしてはいけません。


編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2016年7月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。

 

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中村 仁
ジャーナリスト、元読売新聞記者

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