小池「史上最強」増田「分相応」鳥越「喜劇」

2016年08月01日 06:01

ハプニングも起きることなく、小池百合子氏の圧勝に終わった。小池40%前後、増田30%弱、鳥越25%弱、その他10%弱というのが事前の世論調査から予想される平均的な所だったと思うが、結果は44.5 27.4 20.67.5ということになった。

予想を上回る59.1%という投票率だったことが、小池の躍進と増田がやや予想を下回ることにつながり、鳥越は無党派層で予想外に不振だったぶん沈んだといえる。主要三候補以外の上杉隆と桜井誠は、存在感を示したものの投票には結びつかなかった。(主要候補以外の問題については別途書きたい)。

時事通信の出口調査を支持政党別に見ると、自民(小池52%増田43%鳥越3%)で民進(301056)公明(31634)共産(161069)無党派(502319)である。

これを見ると小池が自民で増田を上回り、公明でも30%を超え、民進ですら30%という想定外の善戦だった。公明党に対して小池は参議院選挙でも兵庫県の公明党公認候補の応援に入るなど十分な敬意を払ってきたが、一方、参議院選挙での自民党の協力が円滑だったことから、増田・小池に73くらいに配分するかと思ったが、婦人部を中心に小池への流出が予想以上だった。

朝日新聞の出口調査での年齢別では、1819歳(小池35増田30鳥越18)、20歳代(43301030歳代(48221540歳代(49221750歳代(45281960歳代(43272570歳代以上(393027)である。

また別の機会に論じたいが、いまは、若い層ほど保守的であり現実的だ。すでにリタイアしてるような高年齢層は、増税しなくとも福祉が維持できるとか、第九条を呪文にしておれば平和だといわれると、戦後から学園紛争のころ聞いた文句だから騙されやすいが、若い人は、自分たちの将来や国際情勢をリアルにとらえているので、引っかかるはずがないのだ。また、若い人が主要3候補以外への支持が多いのは、テレビや大マスコミから阻害されている他の候補もネットの世界では平等なことの反映だ。 

ワンランク上の史上最強候補だった小池百合子

小池の勝利を増田陣営の失敗が原因という人がいる。しかし、自民党が間違ったとすれば、小池を候補にしなかったことであって、増田を売り出す作戦に失敗したことはそれほど大きいものではない。

なんといっても、小池の戦略演出力はこれまで日本の政治で見たこともない想定外のレベルだった。まず、自民党内で工作しても無駄とみるや、最強の候補になりかねない桜井パパが石原伸晃都連会長と会う直前に立候補を声明して桜井パパに決断のチャンスを与えなかった。 

そうなると真っ当な候補は保守分裂を恐れて二の足を踏んだので、滑り止め的な増田寛也しかいなかった。増田は私が「良」と評したように、悪くはないが、都知事としてのカリスマ性に乏しく華がなかった。何も間違いはしなかったが、この程度の結果で分相応。

小池つぶしのために自民党が親戚が応援しても除名といったとか、石原慎太郎が厚化粧の年増女とかいったのはますかったが、むしろ、小池がそれに余裕をもって対応したことのほうが大事だ。

とくに、都議会のドンといわれた内田茂氏のために自殺したといわれる都議未亡人を終盤で登場させるとか、厚化粧批判に顔のアザがあるからと切り返し、石原が立候補を勧めたという小池発言を否定したら、四男が関与する事業の復活を持ちかけられことを暴露するなど、次の一手が素晴らしくよく考えられていた。

また、本人が昨夜のテレビ・インタビューで語ったところでは、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムといったものを年齢層も考慮しながら内容も変えて使っていったそうで、「ツイッターだけで発進すれば良いという時代でない」といかにも橋下徹まで時代遅れ扱いした。 

動員された市民運動と小池派の本物の市民運動

野党側は、もともと、心身ともに候補者としても知事としてもやっていける状態でない鳥越しか出せなかったことが問題外。だいたい、一日、二回しか演説できないし、テレビに出るかどうかもそのときにならないと分からない病み上がりどころか病人を候補者にどうしてしたか分からず、「喜劇」でしかなかった。

スキャンダルは、その内容より、その暴露に対応できる判断力がなかったのが問題。「別荘に二人で行った」「トラブルになって女性の夫と三人で会ったことはある」では「事実無根」とは普通言わない。

それにしても、この淫行疑惑のある候補を、慰安婦問題などでは、国益を犠牲にしてまで、女性の言い分を丸呑みしろとひごろいってきた女性議員たちが「キスくらい」だの「藪の中」だとか鳥越氏を一方的に擁護したのは、彼女たちへの信頼を大きく傷つけた。どう見ても、保守派のはずの小池氏のほうが女性の味方として頼りになりそうだった。 

選挙の見通しについても、鳥越陣営では鳥越が3位だというのは、マスコミが世論調査を捏造した結果で、「小池と鳥越が競っている」というのが真実と流し続けた有識者たちがいた。これで、彼らが針小棒大に取り上げる原発・経済・安保などの問題も同じことらしいと証明されてけっこうなことだ。 

また、小池を支持する支持者たちの熱狂をファシズムだとか誹謗中傷が加えられていたが、「安倍にNO」とか「戦争法案反対」とか用意された同じグッズをみんなで持ち、若年者をそそのかし、ラップで真面目な議論を誤魔化し、組織動員をかけた左派系の運動こそがファッショか文化大革命なのであって、なんの組織動員もなくSNSで呼びかけたら思い思いにグリーンのものを持って集まる市民たちをファシズムなどと誹謗するのは笑止千万としかいいようがなかった。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学大学院教授

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