蓮舫氏がご自身の責任をどのように語るのか注目したい

尾藤 克之

無題

2016民進党代表選挙特設ページより

蓮舫氏がついに二重国籍を認めました。しかし民進党の代表選への出馬は継続する意向のようです。産経新聞によれば、前日夕方、台湾当局から連絡があったとしています。

蓮舫氏の件に関しては、これまでアゴラで八幡和郎、池田信夫両氏から「二重国籍」を再三指摘されていたのに対し、「生まれた時から日本人だった」「父親に手続きを任せていた」などと否定してきました。

しかし、多くのメディアにおいては、取扱いも小さくソースについての言及がされませんでした。「誰が問題提起をしたのか」「誰が追求したのか」。この点について、全く触れられずに抜け落ちた報道があったことは残念でなりません。

アゴラの新田氏(編集長)は、メディア業界のヒエラルキーが存在することを指摘しています。同じようなケースとして、週刊誌報道などをテレビが後追いする際に「一部週刊誌」「一部報道」などとしてソースを明らかにしないケースがあることを示唆しました。ネットメディアがいまだに黙殺されていることが気になります。

なお、蓮舫氏が二重国籍を認めたことから、この場をかりて私見を述べることをお許しいただきたく。この問題を指摘することで状態が健全化に向かうことも期待したいと思います。

■蓮舫氏がおこなってきた追求について

2009年、行政刷新会議が行っている「事業仕分け」なるものが注目されました。あたかも正義の味方が無駄使いをする悪者を懲らしめているかのように映らせるなど、メディアの捉え方にも問題が生じていたことは記憶に新しいところです。

松島みどり議員の「うちわ」配布問題を追求した際にも問題が生じました。これは、当時法務大臣の松島みどり議員が選挙区のお祭りで「うちわ」に見えるビラを配っていたことを国会で追求したものです。

蓮舫氏は松島議員が経済産業副大臣だった際に選挙区の東京都荒川区などで、うちわを配布したことが、公職選挙法が禁止する「寄付」に該当すると指摘しました。

松島議員は「有価物に値するとは考えていない」と釈明しましたが、蓮舫氏は「法律を都合良く解釈してはいけない」と追及の手を緩めませんでした。

しかし、蓮舫氏も同じようなものを配布していたことが、その後明らかになります。さらに民主党(当時)が「比例代表は民主党」と書かれた丸い厚紙を配っていたことや、前都知事や、複数の国会議員も同様のものを配布していたことが明らかになります。

外務省は「尖閣諸島をめぐって解決しなければならない領有権の問題はそもそも存在しません」という立場を明らかにしています。しかし、蓮舫氏は「尖閣は領土問題」と答えて物議を醸したことがありました。尖閣諸島をめぐる領土問題が存在する旨の発言をしたのはなぜかいまだに不明です。

第177回の法務委員会では民主党から重国籍容認、国籍選択制度廃止の請願が出されています。これは、国籍選択前の重国籍者が国籍選択をしなくて済むようにすること、ならびに、日本国籍を選択後になお重国籍が残るケースでは除籍すべき義務を廃止するものでした。これもかなりの憶測をよびました。

■蓮舫氏の今後の対応に注目が集まる

蓮舫氏は閣僚として次の役職を歴任しています。内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、行政刷新担当、「新しい公共」担当、少子化対策担当、男女共同参画担当)公務員改革担当大臣、民主党幹事長代行、参議院東日本大震災復興特別委員会委員長。

国務大臣は内閣総理大臣が任命し天皇陛下が任免の認証をおこないます(内閣総理大臣が任命権者で任命書は天皇陛下が公布します)。

真偽は定かではありませんが、法律に規定された国籍離脱を怠っていたのは事実です。民主党政権では国務大臣を歴任し認証の際においては、任命権者である内閣総理大臣は天皇陛下に疑わしい人物を推薦したことになります。

また、日本国の閣議における閣僚署名は花押を捺すことが慣習です。内閣の意思を決定するために開く閣議において疑わしい状態で花押を押していたことになります。

蓮舫氏の追及に際して、人権侵害や差別を持ち出す方がいますが、それは論点のすり替えに過ぎません。また、公職選挙法における虚偽記載の問題は依然としてクリアになっていませんから精査が必要でしょう。

私は、歯に衣着せぬ主張をする蓮舫氏は嫌いな政治家ではありません。今年の参院選東京選挙区で1,123,145票(得票率18.0%)を獲得したことは有権者の大きな付託を受けたことを意味します。ゆえに、より丁寧な説明が求められると思います。

これまで、他者に対して厳しく説明責任、任命責任を追及している蓮舫氏だからこそ、ご自身の責任を「なかったことにはできない」のではないかと思うわけです。

■民主党代表選はどうなるのか

下馬評では、民進党代表選は蓮舫氏の圧勝だという予想があがってきています。蓮舫氏は自らが出演したTV番組で、「現在は改めて台湾国籍を放棄する手続きを取っている途中でその手続きが終わったら、この問題は終わりです」としています。

しかし代表になった場合、職務を遂行できるのでしょうか。このまま強行した場合、民進党は大きな痛手を負うような気がします。そして、厳しい追求を受けることでしょう。選挙を戦える状況ではなくなるのではないかと推測します。

そうなればあとは自滅するのみです。蓮舫氏は「違法性はないから、代表になることに問題はない。手続きが終わったら終了」と主張をしていますが、そのように簡単に済む問題でしょうか。

僭越ながら、いまの状況で蓮舫氏で勝てると思っているなら政局を見誤っていると考えます。これまでの状況を踏まえて、所属議員、サポーターは代表選をどうすべきかを真剣に考える必要性があるでしょう。

これらの問題は、アゴラの八幡和郎、池田信夫両氏の視点をメディアが正しく紹介しないと伝わらないと思います。メディアの正しい扱いも期待したいところです。

尾藤克之
コラムニスト

PS

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