「お願い民主主義」を脱するには --- 天野 信夫

2016年10月22日 06:00

学校は年度当初に、児童生徒の生活や学習についてのマニフェストを作成し、達成しようとする目標を子どもと保護者と地域に明示します。そして年度末には、その達成度を学校職員が自己評価したり、保護者や学校運営協議会等の機関に外部評価してもらいます。その評価結果も公表します。学校評価です。特に私立学校は、学校評価が悪ければ結果として人気のない学校となり、次年度に生徒が集まらず、学校経営も難しくなります。

もちろん個人としても、管理職を始め全ての教員は、教育委員会や校長から人事評価を受けます。その結果が給与や賞与に反映されるのは民間と同じです。学校の児童生徒も、年度内に2回から3回、教員から評価を受けます。1回目の評価がもし悪ければ、発奮して2回目は頑張ろうと思います。

政治を預かる議員には、どうして同じような評価がないのでしょうか。評価が悪ければ、結果として次の選挙で落ちますが、選挙は任期の最終評価であって途中の評価ではありません。任期中に年1回くらいは評価されてもよいのではないでしょうか。

選挙では、何かやってくれそうな候補者を選んで投票します。その候補者がうまい具合に当選しました。ところが、選挙後に、議員になった彼(彼女)がどういう政治行動をしたのか、その結果どういう成果を上げつつあるのか、又はまだ上げていないのか、これらが途中で評価されることは少ないのではないでしょうか。

選挙の時にお願いするだけのこうした私たちの政治行動や考え方を、「お願い民主主義」と呼ぶそうです。「お願い民主主義」では、途中の経過や成果を検証することがありません。その候補者や政党が、選挙の時に繰り返した政策の達成度合いを、各項目毎に第三者機関が任期途中に評価して公表したらどうでしょう。人格や主義思想ではなく、事実(ファクト)のみを評価します。

アクティブ・ラーニングという手法が、最近学校で導入されています。討論や発表を通して、課題の解決策を考える能力を養うためです。丁度今年の夏から18歳選挙権も導入されました。進んで政治や社会に関わろうとする意識を、特に若者に育てる必要があります。

無関心になるのもダメ、お願いするだけでもダメで、積極的な関わりが必要です。その関わりのとっかかりに、議員への途中評価を利用できないでしょうか。政治の世界に一定の緊張感を常に持たせることは、私たちにとっても政治家にとっても必要なことではないでしょうか。

天野 信夫    無職(元中学教師)

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