米国大統領選挙・選挙人予測「トランプ勝利のシナリオ」

2016年11月03日 22:00
ヒラリーVSトランプ(11月3日)

<Battle for White House(11月3日現在)、RCPから引用>

「支持率じゃなくて選挙人数が大事なんだよ・・・」という人に向けて説明

米国の大統領選挙は全米支持率ではなく各州に割り振られた選挙人数の獲得合計で争うことになります。そして、過半数(270議席)を得た陣営が大統領選挙での勝者ということになります。

直近数日の間でトランプ氏の全米支持率がヒラリーを上回る数字が出てきたことで、ヒラリー万歳派の日本人有識者らが「支持率じゃなくて選挙人数だから」という言い訳を始めています。今まで散々「支持率で論評しきてた」のにご都合主義「ここに極まれり」ですね。

しかし、残念ながら、その選挙人数の獲得予測でもヒラリーはトランプ氏に激しい追撃を食らっており、RCPの選挙人予測で日々数字を落としています。同予測でヒラリーは一度過半数を獲得しましたが、その後大きく選挙人数を失っている状況です。

選挙人数予測から考える「トランプ勝利のシナリオ」

現在の選挙人数の予測はヒラリー226・トランプ180でヒラリーが有利な状況となっています。しかし、接戦州に分類されている州の中でトランプ氏が有利な州が複数存在しています。

現状の支持率で推移した場合、バージニア13はヒラリー陣営、オハイオ18、ネバダ6、アイオワ6、アリゾナ11、はトランプ陣営に転ぶ可能性が高い状況です。したがって、実際にはヒラリー239・トランプ221が妥当な現状分析でしょう。

フロリダ、ノースカロライナ、ペンシルバニア、コロラド、ニューハンプシャー、メイン(2)は激戦中であり、どちらの陣営に軍配が上がってもおかしくない状況です。

トランプ氏が勝利するためには、フロリダ29、ノースカロライナ15、ニューハンプシャー4、メイン(2)1で270人の選挙人を獲得するというシナリオが最も妥当なシナリオでしょうか。ペンシルバニア20やコロラド9を陥落させた場合、形勢は一気にトランプ大勝利に流れていくことになるでしょう。(支持率を参考にするとトランプ氏のニューハンプシャー勝利は若干厳しいため、現実的にはコロラドが重要になるものと思います。)

上記のシナリオは現状の各州における支持率を見ている限りでは不可能ではありません。

鍵となるフロリダ州ではキューバ系移民からのトランプ支持が増加したこともあり、トランプ氏に有利な世論調査結果が出始めています。大票田であるフロリダがトランプ陣営の手中に入った場合、トランプ勝利の選択肢は大きく拡がることになります。

ヒラリー陣営は崩れ落ちる牙城を支え切ることができるのか?

選挙最終盤を迎えてヒラリーの獲得選挙人数予測の数字は下落し続けています。トランプ氏に比べて大量の広告費を投入して選挙戦を行ってきたヒラリー陣営にとってショックは隠しきれないものでしょう。

ヒラリー陣営は既に大統領選挙を勝利したものと看做して接戦州での対応を怠り、トランプ氏による徹底した反撃に対して後手に回った状況に置かれています。まさにエスタブリッシュメント特有の慢心と驕りによって、トランプ陣営の窮鼠猫を噛む攻撃に苦しめられる結果となったと言えるでしょう。

ヒラリー優位の残りの州の中で、ウィンスコンシン州とミシガン州は比較的崩れる可能性がありますが、ヒラリー陣営も流石にこれ以上は止血すると思います。そのため、上記の接戦州での勝敗こそが大統領選挙の勝敗を左右することになると言えるでしょう。

ちなみに、ヒラリー・トランプの獲得選挙人数が269VS269となった場合、連邦下院議員の投票によって大統領が選ばれることになります。連邦下院議員は共和党多数がほぼ確定的であるため、ヒラリー寄りの議員らが造反しなければトランプ大統領誕生ということになります。

開票日まで1週間を切っている米国大統領選挙ですが、両者の鎬を削る戦いは熱くなる一方です。毎日、米国で何が起きるのか目が離せません。

本記事の内容は所属機関とは関係なく渡瀬個人の見識に基づくものです。取材依頼や講演依頼などはyuya.watase02@gmail.comまでお願いします。

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渡瀬 裕哉
早稲田大学招聘研究員、Tokyo Tea Party 事務局長

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