ブルカ、ニカーブを巡る西欧リベラル派の「勘違い」

2016年12月08日 13:40
二カーブMuslim_woman_in_Yemen

ニカーブをかぶったイエメンの女性(Wikipediaより:編集部)

メルケル首相、ドイツ国内でのブルカ、ニカブの着用禁止を支持(ハフィントンポスト)

ブルカあるいはニカーブは、顔全体を隠し、体全体を隠すもので、髪だけを隠すヴェール(ヒジャーブ)とは異なります。目の周りは開けておかないと歩けませんが、ブルカだと目の上にもさらに覆いをかけていたりします。外見は「テントが歩いている」ようになります。

西欧近代は、個人が表情や身体表現を含めてある程度他者に晒して表現することを基礎にして、人間の権利を成り立たせています。

サウジアラビアでニカーブを政府が強制し、アフガニスタンであれエジプトであれ社会がブルカ・ニカーブを強制することを、外部からとやかく言うことは避けた方がいいですが、ドイツにはドイツのやり方があると示すことは当然であり、また必要でしょう。

「ニカーブをかぶることで女性は解放される!」といった西欧リベラル派が大学やメディアの中で地位を得るために掲げてきた底の浅い勘違い議論がもたらす帰結が、人権に基づく社会の基礎の崩壊であるという恐ろしいことに、やっと政治家が気づいたのでしょうが、遅きに失したものと言えます。


編集部より:この記事は、池内恵氏のFacebook投稿 2016年12月8日の記事を転載させていただきました。転載を快諾された池内氏に御礼申し上げます。

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池内 恵
東京大学先端科学技術研究センター准教授

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