都議会が面白くなった。
いいことである。
これから都議会では何人もスターが誕生するだろうし、その内テレビに登場する人も増えるだろう。
まだ真剣勝負とまでは行かないが、茶番とか学芸会と言われるような眠たい舞台を観るよりは遥かに価値がある。
スターにも色々種類があり、ヒーローやヒロインもいれば、如何にも憎々しい悪漢面の悪役スターもいる。
昨日の都議会の様子の一部をテレビのニュースで見たが、まだ本格的な悪役スターは登場していないようだ。
台本を見ながらセリフを喋っているような場面が登場したから、まだ舞台経験が浅い方なんだと思う。
行政当局側が議会に対する根回しや事前調整はしない、と表明したことを逆手に取って、当局側が質問の内容を事前に把握してそれなりに答弁の準備が出来ないように質問項目の大枠は示すが質問の中身は一切明かさない、という当局を困らせるためのとっておきの戦術を自民党の都議団が取った。
まともな答弁が出来ないように30項目に近い質問を知事に叩きつけるわけだから、行政の経験が乏しい小池知事にとっては実に苦しいはずだ。
ある程度行政の各現場に通じたベテランの行政マンにとっても苦しい。
如何にスーパーウーマンの小池さんでも、アドリブ程度ではこの攻撃はかわし切れない。
まあ、自民党都議団による虐めが始まったということだ。
こんな戦法でも取らないととても強かな小池さんには太刀打ちできないとでも思ったのだろうか。
200億円の政党復活枠を廃止することを宣言した小池さんに対する意趣返しということだろう。
東京都議会が俄然面白くなった。
都民の皆さんは、どんどん都議会に行かれた方がいい。
お茶の間で大して面白くもないテレビ番組を見て時間を潰しておられるよりも遥かに面白く、色々なスターの活躍ぶりが間近に見られるはずだ。
悪役は悪役なりに、ヒーローやヒロインはそれなりに役を演じている。
誰が大根で、誰が名優かも自ずから分かるようになる。
何よりも、目の前で見てきたことがテレビで放映されることもあるのだから、実際に荒れる都議会の様子を見てきた人は地元に帰ればそれなりのコメンテーターや報道記者になれる。
誰がどんな野次を飛ばしていたか。
誰がどんな意地悪をしていたか、よく分かるはずだ。
来年の都議会選挙の投票先を決めるうえで、これほど参考になるチャンスは滅多にないはずである。
韓国の国会と同じくらいに、今の都議会は見どころ満載である。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年12月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。