所属議員が質問権を放棄。IR法案で立場が微妙な公明党

山口那津男@公明党FB

記者会見に臨む公明党・山口代表(党公式サイトより引用:編集部)

公明党の立ち位置が、実に微妙になっている。

公明党はIR法案について所属国会議員の間で賛否が分かれているということで自由投票、自主投票にしたそうだが、委員会の質疑にも参加しないそうだ。

委員会での審議には参加するが、質疑はしないで、ただ賛成、反対の票を入れる。
党議拘束は掛けないということのようだが、所属国会議員が何の質問もしないでただ他の議員の質問や答弁を聞いて表決にだけ参加する、というのはどうにもおかしい。

福祉の党、平和の党、庶民の党などと言っていたわりには、ずいぶんだらしがないことになっている。
多分、自民党からも笑われるはずだ。

公明党の人たちは、自民党が維新とだけくっつくことを恐れているんだな、ということになる。

自民党の人はそんなことはおくびにも出さないだろうが、選挙戰には強いが政党としてはずいぶん弱くなったもんだ、ということになる。
これが自民党一強政治、安倍一強政治の問題なんだろう。

9日採決とか騒いでいた自民党がどうやらIR法案の採決の日時を伸ばして審議を尽くす方針に転換したようだ。

結構なことである。
こんなところで急いで、いいことは一つもない。
公明党の人たちも、賛成、反対、色々あるだろうが、まずはしっかり審議に参加することだ。
行政に細部の設計を丸投げするような現在のIR法案は、議員立法の中でも実に質が落ちる。

国会議員の皆さんは、自分たちに立法権がある、ということにもっとプライドを持った方がいい。

この問題は難しいから、事務局に答弁させます、と言っているようなものだ。
たしか、そう答弁した大臣がいたような記憶があるが。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年12月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。