CEATEC2016

中村 伊知哉
入口
CEATEC、行ってきました。前年までのIT・家電展から、IoT展へとコンセプトを大きく変更。前年531社今回648社、前年1609コマ今回1710コマと規模も拡大し、日立もトヨタも帰ってきて、何やら元気が戻った空気でした。
ちなみに前回(まで)のぼくのCEATECメモ。昨年はIoTをうたいながらも、まだ具体的な形が描けてはいませんでした。今年はずいぶん像がハッキリ。
「CEATEC2015」
 
特別展示「IoTタウン」では、タカラトミー、楽天、MUFJなど異業種の初出展企業がショッピング、仮想店舗、スポーツ、ロボットなど10件の展示。IoTは「提供より利用」という姿を描いてみせました。今後のプレイヤーの広がりを予感させます。
楽天はネット情報と店舗や消費者の生活をつなぐ展示。タッチパネルに本を置くと、登場人物や地名などを表示。カメラで表紙を識別し、ネット上から情報を取得する仕組みも。本以外にも、置いた食材を使ったレシピや商品のレビューなども紹介できる。
タカラトミーの出展はいいね。モノにITが埋め込まれるIoTの先端はオモチャであり、世界に競争力を発揮するのがその日本の業界だと思います。「JOY!VR 宇宙の旅人」でスマホ+VRのコンテンツを展示してました。
MUFJが出展。フィンテックがCEATECに店を構えるのは当然でしょう。他の金融機関はどうなの、と思います。三菱はさらに進んで、人型ロボット「NAO」も展示。三菱東京UFJ銀行成田空港支店で活躍している様子を再現。
 
旭化成のようなIT外の企業が参加しているのが魅力。次世代衣料「スマートウエア」で売り込みを図るといいます。電線として使える伸縮素材「ロボ電」は、ゴムのように伸び縮みするため、衣服の生地に縫い込んで生体情報などを送るといいます。
 
ぼくらの「超人スポーツ」も出展しました。スポーツとIT、スポーツとIoT。新しい成長分野を作ります。よろしく!
 
人機一体のモータースポーツ、キャリオット。ドリフトする車イス。岩手県のハッカソンで生んだ腕バドルなど。みなさん、ご覧いただきありがとうございます。
超人スポーツの一つ、meleap社の「HADO」。ARを使ってスマホのHMDをのぞき、腕につけるモーションセンサーを動かして、手からかめはめ波のようなものを発してモンスターやプレイヤー同士で戦います。
HADOはハウステンボスなどテーマパークでも既に導入されています。世界に進出していただきたい。
ところで今回はサイネージでの展示が目につきました。IoTはデジタルを溶け込ませるものですが、溶け込んだら見えなくなるので、逆に「見える化」がカギを握る。なるほど、IoTとサイネージは好相性。デジタルサイネージコンソーシアムが会員増を見せているのはそのせいか。
 
パブリックビューイングでは8Kが活躍しますとばかりのNHK。ハイブリッドキャストから8Kに体重移動ですね。ぼくが理事長を務める映像配信高度化機構も世話になっております。が、画面の写真撮影ダメというので宣伝は控えます。
 
村田製作所。腕や脚に小型センサーを貼り付けて、ゴルフのスイングを分析するウェアラブルシステム。加速度・ジャイロ・地磁気センサー、無線通信モジュール、ワイヤレス給電を内蔵した小型デバイス。姿勢の問題点などが指摘されます。
 
オムロンは今回も巨大卓球マシン。京都企業、プレゼンス高い。
 
トヨタ、2年ぶり。しかも、ロボットで。
人型コミュニケーションロボット「KIROBO mini」、39,800円、2017年発売予定。
 
シャープは今年もRoBoHoNくん。接客、観光案内、見守りの3ソリューションを展示。
 
そしてシャープは同時にAIとIoTを駆使した「AIoT家電」を提案しています。
いろんな家電や住宅設備をつないで、音声対話で一元的に操作できるそうです。
パナソニック「IoTが変える暮らしやビジネス」。
普段はインテリアに溶け込む透明ディスプレイ。SAKE&WINEセラーが庫内にあるお酒の情報やお酒にあったレシピの提案などを行なえます。
 
ウィンドウAR。
家電の雄であり、デジタルサイネージコンソーシアム副会長のパナソニックは、IoTで家電とディスプレイをつなぐ時代を迎え、ちょいとウキウキしているように見えました。

 

(おしまい)

編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2017年1月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。