普通のOLが理不尽なブラック企業と対峙するには

2017年02月02日 10:00
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写真は著者の菅氏

もっとやりがいがある仕事をしたい。そんな自分探しまっただ中のキラキラOLに待ち受けていたリストラの嵐。「崖っぷちOL」となった彼女に残されていたのは、短期間で敏腕営業に生まれ変わり、仕事で結果を出すことだった……。

本書はこのような出だしではじまる。多くのビジネスストーリーによって構成される、ビジネス小説といったほうが分かりやすいだろう。著者の、菅/沙絵氏は、短大卒業後、大手メーカーへ一般職として就職。20代の頃より小説の投稿を続け、「cakes」にて連載を始める。いまも丸の内にてOLをやりながら、執筆活動続行中という経歴。

監修の、横山信弘氏は、経営コンサルタントとして活動をしている。主な著書としては、ベストセラー『絶対達成マインドのつくり方』(ダイヤモンド社)をはじめとした「絶対達成」シリーズなどがある。

■リアリティのあるビジネス小説という領域

――本書はビジネス小説なので、シチュエーションがわかりやすく設定されている。読者の方もイメージがし易いことだろう。一部を紹介したい。

「越野部長、ちょっとよろしいでしょうか。珍しい男の申し出に越野は驚いた。営業成績ナンバーワンの三上だった。うちが買収されるって、本当ですか?。リストラの話も聞いたので、確認をしておきたいだけです」(三上社員)

「営業成績最下位のものを退職させる。だが、営業成績ナンバーワンの君には関係のないことだ」(越野部長)

「営業成績最下位といったら上杉くんですか?」(三上社員)

「浅井さんだね。営業も兼務し始めたからね。申し訳ないけどまだ独身だし、退職してもらうには彼女が一番適していると思う。彼女に受注は取れないだろう」(越野部長)

――このような生々しいストーリーで展開されていく。私は読みながら、自らの歴史と重ねてしまった。それくらい、本書のケースと描写にはリアリティがある。

会社とは理不尽なものである。それは誰もが感じていることではないかと思う。なんらかの理不尽さを味わったことは、働いていれば一度や二度は必ずあるはずだ。しかし、理不尽さを憂いても問題は解決しない。まずは、理不尽の本質を見極める必要がある。

■主人公が大型受注を果たすが、その行方は

――ストーリーの終盤、リストラ候補だった浅井が大型受注を果たすシーンがある。

「こちらはいつでも構いませんので、できる限り早く来ていただきたいです。装置の搬入は今月中にお願いできますか?」(お客様)

受話器を置くと、越野から声がかかった。浅井は静かに越野の元へ向かう。

「いまの電話は?」(越野部長)
「はい。先方から装置受注の連絡がありました」(浅井社員)

その言葉を受けた越野の顔は、真夏の陽射しにさらされたソフトクリームのように、瞬時にトロリと溶けた。

「浅川さん、やりましたね。受注額はいくらですか?」(越野部長)
「受注額は1億2000万です。租利は70%程度です」(浅井社員)
「浅井さん、すごいじゃないですか。あなたはここに居ていいですよ」(越野部長)

――しかし酷い会社だ。社員に成績の悪いものがリストラの対象になることを告知している。世の中には、このような理不尽が蔓延する。だからこそ多くのビジネスパーソンが知っておかなければいけない事実がある。そしてストーリーは思いがけない方向に進んでいく。なにしろ、上司と会社のブラック度合いがハンパではない。

「私がリストラにならない代わりに他の方がリストラになるのでしょうか?」(浅井社員)
「まあ、そういうことになるでしょうね」(越野部長)

■会社の理不尽について考える機会に

――理不尽であっても、上司や顧客の利害関係などに直結するものは、基本的にかぶるべきだ。それは、相手に対して貸しをつくることになるからである。成功した際に評価される理不尽などはそれに該当する。

また、会社に対する不平不満はビジネスパーソンの定番だが、それを募らせたところで状況が改善されることは少ない。理不尽なことは誰もが嫌なこと。でも、任された職務だと思って仕事をしていれば、そこにチャンスが生まれるかも知れない。

参考書籍
わたし今日からキラキラOLやめてギラギラします! 絶対達成する人になる方法』(KADOKAWA)

尾藤克之
コラムニスト

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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