「で、君は結局、何が言いたいの?」って言われたら

2017年02月26日 06:00
無題

写真は、講演中の沖本るり子

「情動のハイジャック」という言葉をご存じだろうか。世界600万部の大ベストセラーにもなった、『EQ こころの知能指数』(ダニエル・ゴールマン著)のなかでも紹介されている印象的なChapterである。

「売り言葉に買い言葉で熱くなった状態」「上司の叱責で緊張のあまり言い返せなくなった状態」。子どもにありがちな「キレる」という状態も情動(感情)がコントロールを失っている。ダニエル・ゴールマンはこのような現象を「情動のハイジャック」と称した。

最近、話題にのぼる、パワハラ上司なども包含されるだろう。「怒り」「嫌悪」といったマイナスの感情を感じると「情動のハイジャック」が発生しやすい。そして、情動がハイジャックされた状態でやらないほうがいいものの一つに「会議」がある。

沖本るり子(以下、沖本氏)は、「5分会議」を活用した、人財育成や、組織活性化の講師・コンサルタントとして活動している。TBS報道番組Nスタで“プレゼンの達人”と紹介されたこともある、沖本氏に情動(感情)が会議に与える影響度について聞いた。

個人の個性を活かしてこそ会議の意味がある

――会議の運営には少々コツが必要である。コツがわからないと、建設的な会議にならず憂鬱な気持ちになることが多い。これでは、「時間のムダ」になってしまう。

「いつも同じ人が発言していて会議の輪に入れない、話が長くて、なにがいいたいのかがわからない、脱線や迷走が多く、議論がなかなか進まない、結局、声の大きい人によって結論がひっくり返される、など心当たりはないでしょうか。」(沖本氏)

「このような会議は建設的な議論が難しくなります。参加者の意識も希薄になりますから、姿勢も投げやりです。」(同)

――いわゆる、参加者の心にバリアが生じている。冒頭紹介した、「情動のハイジャック」によって、参加者の意識がマイナスに引っ張られているのである。

「会議は問題解決や課題クリアに役立つだけでなく、個人の成長をも促すことができる素晴らしい『ツール』です。ところが、会議を効果的に活用できている企業は、残念ながらとても少数です。また、会議には、さまざまなタイプの人が参加します。ある意味、会議の場は『会社の縮図』ともいえます。」(沖本氏)

――また、会議には進行役がいてファシリテートしながら進行していくものと思っている人が多い。このような会議の形態だと「今日も進行役が進めてくれるに違いない」と参加する際に依存が生じてしまう。どうやら参加する際の意識に問題がありそうだ。

「依存を避けるために、役割は分担して輪番制にするのがいいでしょう。他の人の立場を理解する気持ちが生まれ協力的に会議を進めることができるようになります。次に会議の役割分担を決めてください。(1)進行係(目標を達成させる役割)、(2)メモ係(発言を全部記録する役割)、(3)時計係(時間を計る)、の3つの役割です。」(沖本氏)

「情動のハイジャック」を起こす原因は

――会議に次のような人はいないだろうか。「自己中心的で自分の意見ばかりを主張するタイプ」「リスクやネガティブなことをいい出して徹底的に批判するタイプ」「会議の成り行きで有利なほうにつこうとするタイプ」。出席者の個性もいろいろだ。

「会議の際に、悪影響を及ぼすのは『ネガティブオーラ』です。しかしルールをつくっておけば、マイナス意見が出たとしても対応策を考えればいいだけ。議論がネガティブな方向に進むことはありません。マイナス面を出しっぱなしにするのではなく、『では、どうすればいいのか』と全員で考えるのです。」(沖本氏)

「会議を通じ、物事の見方や考え方をプラス・マイナスの両面で捉えることは大切です。考えることで、改善策、予防策につながるからです。」(同)

――ただ会議を開いて「何か意見はないですか?」と尋ねるようなやり方をしても、参加者の意識は変わりそうもない。積極的に意見を述べ、参加意識も高い会議にするには、やり方にコツがありそうだ。あなたの会社ではどうだろうか。

尾藤克之
コラムニスト

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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