デキる女性が不倫をする理由について考える

荘司 雅彦

※写真はイメージです(GATAGより:編集部)

よく「不倫をするのはデキる女が多い」とか「優秀な女性ほど不倫に走りがちだ」と言われます。

不倫女性から依頼を受けた弁護士として、また不倫女性と対立した弁護士としての経験から申しますと、全く的外れではないような気もします。

少なくとも、私の経験値の範囲では、「不倫をした男性達」よりも「不倫をした女性達」の方がレベルが高かったような印象があります。

今回は、その仮説が正しいという前提で、原因を探っていきたいと思います。
もちろん、この仮説がすべての場合に当てはまる訳ではなく、前提や原因も推測の域を出ませんので、話半分という程度でお読みいただければ幸いです。

「一夫一婦制」は女性の権利や尊厳を守るためではなく、実は男性の利益のために存在するという説が最近有力になっています。

ここに3人の男性と3人の女性がいたとして、知力、体力、見た目という優秀な遺伝子だけで男性を判断すると、A君は極めて高く、B君は平均的、C君は極めて低いとしましょう。

一夫多妻制であれば、財産的な制約が許せば3人の女性は全部A君と結婚します。
これではB君とC君は自分の遺伝子を後世に残すことができません。

ところが、一夫一婦制であれば、A君が結婚してしまえば、残った女性2人はB君とC君と結婚するしかないので、低い遺伝子しか持ち合わせていないC君も結婚して自分の遺伝子を後世に残すことができるというのです。

この説に対しては、多くの女性が「冗談じゃないわ。第二夫人になるくらいなら、優良な遺伝子なんていらないわよ!」と怒りをあらわすことでしょう。
私自身、「一夫一婦制は男性のためだ」という説にはいささか懐疑的でした。

しかし、橘玲氏の著書「言ってはいけない」の中で「イギリスの生物学者ロビン・ベイカーは、平均すれば男性の10%は他人の子供を自分の子供と誤解して育てている」と書いてあるのを読んで、男性が思っている以上に(また女性自身が自覚している以上に)、女性というものは男性に優良遺伝子を求めるのではないかと考えるようになったのです。

飲酒しながら友人から聞いた話なので多少の誇張はあるかもしれませんが、次のような話があります。

一流大学の医学部を卒業した友人がいたそうです。
背が高くてまずまずのイケメン、高校時代は陸上競技の正選手でした。彼は、結婚前も結婚後もたくさんの女性にモテて多くの性経験の持ち主でした。

彼が興味深く感じたことは、セックスの後でコンドームに残った彼の精液を見た女性のほとんどが、「この中に先生の優秀な遺伝子が入っているのね」と口走り、中には「冷凍保存しておこうかしら」と真顔で言った女性もいたことでした。

「女は射精をしないからこんなつまらないものに興味を持つのだろう」と、彼は軽く考えていたそうです。しかし、今になってその話を吟味すると、彼女たちは(無意識的にであれ)彼の優秀な遺伝子を欲しがっていたのではないでしょうか?

これを先に引用した「10%の男性が他人の子供を育てている」という説と合わせて考えると、女性は(結婚していようがしていまいが)、本能的に自分と同等もしくは自分以上のレベルの遺伝子を求めて不倫に走るという結論が導けます。

一夫一婦制の例として出した3人ずつの男女の話で、女性のレベルが3人とも平均値をはるかに上回っていたとしたら、やむなくB君とC君と結婚せざるをえなかった女性たちは、優秀な遺伝子を求めてA君との不倫に走るでしょう。

限られた人数での仮説をやめて現実世界に目を投じても、バリバリ仕事ができる魅力的な女性にとって「自分と同等もしくは上のレベルの男性」との出会いは頻繁にあるものではありません。

彼女にとってふさわしい男性が既婚者である場合、自分より落つる男性と恋愛するより既婚者との不倫に走るかもしれません。彼女が渋々意に沿わない相手と結婚したとしたら、結婚後に出会ったレベルの高い男性との不倫に走るかもしれません。

逆に、そこそこのレベルで守備範囲の広い女性は、結婚相手に大きな不満を持つことが少ないでしょう。万一優秀な遺伝子を持った男性と親密になっても、発覚して離婚に発展してしまうと、一人で生きていくリスクがあまりにも大きいので不倫を思いとどまることが多いでしょう。

現実問題として、一人でも現代社会を生き抜く力を持った女性だけが、(自分や相手が既婚であるか否かにかかわらず)優秀な遺伝子を求めるて行動に移すと考えれば、「不倫ができるのはデキる女性だ」という仮説もあながち間違いではないということになります。

なお、今回はあくまで「優秀な遺伝子」という要素のみに着目したことを忘れないでください。財力や学歴、年齢等は一切無視していますので、納得できない部分も多かろうと思われます。

また、最初に書いたように、仮説も前提も理由も「確たる証拠」は何もありません。もし不快感を感じたとしたら、「根拠のない戯言」だと笑い飛ばしていただければ幸いです。

本当にあったトンデモ法律トラブル 突然の理不尽から身を守るケース・スタディ36 (幻冬舎新書)
荘司 雅彦
幻冬舎
2016-05-28

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年2月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。