日本の財政の現状をわかりやすく書くとこんな感じです

香川 健介

こんにちは。香川健介です。
アゴラでは「日本は財政破綻するのかどうか?」という大きなテーマのもと、財政や経済に関する記事を連載しています。

さて、前回の記事「ソ連崩壊後のロシア経済は日本の近未来の姿?」では、ソ連崩壊後のロシアの話を紹介しました。

ここからはいよいよ、日本の財政について、いろいろな角度から見ていきます。
財政や経済にあまり詳しくない人でも読めるよう、なるべく丁寧に、わかりやすく説明していこうと思います。

まずは、日本の財政の現状を見てみましょう。

このグラフは、日本政府が抱えている借金の金額の推移です。

この借金は、中央政府のぶんに加え、地方自治体、いわゆる県庁や市役所などの借金の分もあわせたものです。

ぜんぶひっくるめると、2016年度には、合計で1062兆円になります。
日本政府の借金=だいたい1000兆円ちょいだと覚えておいてください。
けっこう大きな金額です。

では、どうしてこんなにたくさん借金があるのでしょうか?
その前にまず、2016年度の日本の予算を見てみましょう。

2016年度の日本の一般会計の予算は96.7兆円です。
一般会計とは、日本政府のメインの予算みたいなものだと考えておいてください。
ざっくり、日本政府の予算=だいたい100兆円くらいだと覚えておいてください。
これもなかなかの金額ですね。

じゃあ毎年100兆円もなんに使ってるんだ? というと、その内訳は次のようになります。

社会保障費:32兆円
国債費:24兆円
地方交付税交付金:15兆円
公共事業:6兆円
文教および科学振興:5兆円
防衛費:5兆円
その他:残り

このうち、本連載でとりあげるのは、社会保障と国債費の2つです。
この、社会保障費の32兆円と、国債費の24兆円という数字は、覚えておいてください。
それ以外の数字は覚えなくてOKです。

そして、この社会保障と国債費の2つだけで、一般会計予算の半分以上を占めています。

日本は、社会保障と、借金の利払いだけで、およそ半分のお金を使っている国だということは知っておいてください。

1ヶ月の収入のうち半分くらいが、利子など借金関係の費用と、家の中にいるおじいちゃん・おばあちゃんのために消えていく家庭を想像してみましょう。これが日本です。

まとめ
・日本の借金は1000兆円以上ある
・日本の年間予算は100兆円くらい
・この100兆円のうち、年金・医療・介護などの社会保障にかかるお金が32兆円と、国債費(借金の利子や償還費)が24兆円。この2つだけで半分以上

次の記事は、「日本政府に膨大な借金を作らせた最大の原因はこれです」になります。よかったらお読みください。

貴重なお時間を割いて本記事を読んでいただき、どうもありがとうございました。
今後もわかりやすい記事をがんばって書いていこうと思いますので、よろしければ私のTwitterFacebookなどをフォローしていただけましたら嬉しいです。更新情報も通知いたします。

なお、この記事は、私が先日出版した本をもとに書かれています。
主に、財政や社会保障の話や、財政破綻が起きる場合のメカニズムや、「個々人が財政破綻にどう対処したらいいか?」などの解説をしています。
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タイトルは、「マネー本っぽくしたほうが、手にとってもらいやすいのでは?」と私が勘違いしたせいで微妙なものになってしまいましたが、内容はまじめなものになっています。
読んだ方からも、「タイトルのせいで人に紹介しづらいが、すごく面白かった」「とてもわかりやすく、勉強になった」などの感想を多数いただいています。
本記事を読んで面白いと思った方は、本のほうも楽しめると思いますので、よかったら、ぜひ読んでいただけましたら幸いです。

また、本記事は内容に間違いがないよう細心の注意を払っておりますが、私がどこか勘違いしている箇所などあるかもしれませんので、もし気づいた方がいらっしゃればご連絡いただけましたら助かります。