創造的なんだけど創造的じゃない日本

中村 伊知哉
アドビが4年ぶりにクリエイティビティ=創造性の調査結果を発表しました。
米英仏独日それぞれ1000人の成人、計5000人に聞いた結果。2016年10月の調査。
(グラフは調査データを元に自作したものです。)
前回の結果はこちらに。
「Creative Japan」
今回も同様の傾向ですが、チェックしてみましょう。
1. 最も創造的な国は日本
日本は世界から創造的だと見られています。ありがとう。
ぼくもそう思います。
2. 最も創造的な都市は東京
東京は世界から創造的だと見られています。ありがとう。
ぼくもそう思います。
3. 創造性は社会に価値があるか?
さて、ここからが問題です。
日本は創造性の社会的価値を評価していません。日本だけが過半数割れ。
4. 創造性は経済に価値がある?
そして、日本は創造性の経済的価値も評価していません。
5. 創造性は経済成長のカギ?
そう考えるのも日本が最下位です。
日本は創造性を大事だと考えていないのです。
6. 自分は創造的か?
これが最も深刻なデータ。
日本は自分のことを創造的だと思っていません。圧倒的な最下位です。
日本は世界からスゲーって思われています。でも、自分たちは創造性が社会にとっても経済にとっても大事だとは思っていません。そして、自分たちのことを創造的だとも思っていません。

自分たちの創造性をもっと発揮できるのではないでしょうか。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2017年5月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。