スターバックスは、なぜフードメニュだけが貧弱なのか?

内藤 忍

六本木の東京ミッドタウンにあるスターバックスが、ミッドタウン内で移転して、先月リニューアルオープンしました。2フロアに変わり、2階は高級仕様のスターバックスリザーブです。夕方からアルコールのサービスも始まり、広々とした空間を贅沢に使っていて、リラックスでき、居心地はかなり良いです。

ワインはいわゆるワイングラスではなく、ゴブレット型のオリジナルのグラスでサービスされます(写真)。ワインもスターバックスのオリジナルの銘柄になっていて、何種類か試してみましたが、コーヒー同様「外さない味」です。ワインマニアには物足りないかもしれませんが、価格と雰囲気から考えれば、バリューだと思います。

しかし、スターバックスでいつも感じるのは、フードメニュの貧弱さです。その場で温める場合もありますが、基本作り置きです。しかも、サンドイッチ、スコーン、ケーキ、ワッフルというようにすべてが「グルテン糖質(小麦)」を主体にしたメニュです。サラダもありますが、クオリティはあまり高くありません。せっかく香り高いコーヒーを注文しても一緒に食べたいと思うものが見つからないのです。

ワインと一緒に楽しめる夜のメニュに期待したのですが、やはり同じようなメニュ構成でした。ワインに合わせるメニュとしてあったのは、スティック状のタルト。アルコールに合わせて開発されたのかもしれませんが、結局ワインだけを注文して楽しみました。

ワインと一緒にあったら良いなと思うのは、チーズやオリーブ、生ハムといったメニュです。コーヒーチェーンにそこまで求めるのはお門違いかもしれません。であれば、東京ミッドタウンに入っているD&D(ディーンアンドデルーカ)とコラボレーションしてはどうでしょうか。スターバックスリザーブの一角に夕方だけD&Dのワゴンを入れて、フードメニュを販売してもらう。リザーブではなく「ディーンバックス」というブランドでやれば、「モスド(モスバーガーとミスドのコラボ)」や「ビックロ(ビックカメラとユニクロのコラボ)」のように話題性もあると思います。

自分の勝手な要望を書いていますが、スターバックスがコーヒーチェーンから新たな業態へ展開していく場合、ネックになるのはフードメニュだと思います。舌の肥えた日本の意識の高い顧客を満足させるためには、洗練された内装やオリジナルのドリンクからもう一歩踏み込むべきというのが、一顧客としての意見です。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年6月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。