小池新党、前原発言…政界再編の話題を展望する

小池新党設立の展望

細川のお殿様や鳩山のお大尽を引き合いに出して、小池さんには国政新党を作るだけの器量がないだろう、と仰る方がおられるが、小池さんが国政新党・小池新党を考える頃には状況が一変しているのではないかと思っている。

小池さんはあくまで選挙の顔で、小池新党の財政を支えるのはあくまで候補者本人なりその支援者。そう割り切っていさえすれば、小池新党の設立はそれほど難しくない。
党の代表に党財政の切り盛りをお願いしなければならないことになれば、どうしても代表が無理をするようになるから、当てにしないことだ。

小池さんという顔があればいい、くらいの軽さで作らないと、大抵の人は怯んでしまうだろうから、小池さんには一切財政的な負担をかけない、ということにしなければならないはずである。

財政的な余力がない人が新党を立ち上げようとしても大体はダメになる。
みんなの党が挫折した理由の一因はそこにあるはずである。

あれだけ人気のあった石原慎太郎氏も結局は自分の才覚で純粋な石原新党を作ろうとして、結局は尻込みしてしまった。

細川の殿様はもはや政治に口も金も出すつもりはないだろうし、鳩山のお大尽もかつてのような元気はないはずだ。

言うは易く行うは難し、というのが実は国政政党の設立なのだが、それほどかっちりした国政政党でなければ、その逆に案外簡単に国政政党を起ち上げることも出来る。
いわゆるペーパー政党である。

国会議員が5人集まれば、それで国政政党が出来上がるのだから、自分の外に4人の国会議員を集める力がある人だったらおやりになったら如何、というところである。

とても自民党や公明党、共産党に対抗できるような本格的組織政党にはなれないが、それでも選挙の時には政党を名乗ることも出来るし、候補者を擁立することも出来る。

選挙に勝つ見込みさえあればいいのだから、そう難しいことではない。
選挙に要する費用は、全部候補者持ち。
政党は、一円も出さない。

維新は、多分そういうスタイルでやってきたのだと思う。

小池さんが国政に乗り出す時のスタイルは、維新と同じになるはずである。

まあ、それでいいのではないかしら。
あれやこれや難しいことを考えずに、とにかく一歩前に足を踏み出してみることだ。
こういうことは、やった者勝ちみたいなところがある。

上手く行かなくて元々、ぐらいな感じで、とにかくやってみることである。

前原さんの政界再編発言は、相当浮いているのではなかろうか

前原さんが何となくアドバルーンを揚げたような印象だが、今は貴方の出番ではなさそうですよ、ぐらいなことは申し上げておいた方がいいだろう。

動く時は長島氏くらいにスパッと動けば、それなりに格好良く映るものだが、前原氏の場合は如何にも中途半端で、切れが悪い。今、民進党の人が政界再編などを言い出しても、誰も付いて行かないのじゃないかしら。

まだ若いはずなのになあ、と思わないでもないが、まずは民進党の中で民進党の再生に向けて汗を流すくらいでいいのではなかろうか。

一応ニュースには取り上げられるくらいだから、それなりの発信力は維持されているのだろうが、それにしてもタイミングが悪い。

村田蓮舫さんに代表の座を降りるよう勧めるべき人が、途中のプロセスを捨象していきなり政界再編を言い出す、という感覚がどうにも私には理解出来ない。

前原さんにはちゃんとしたブレインが付いていないのかしら、と心配になる。

細野氏が沈黙を守っているのには何か理由があるのだろうと思っているが、前原氏の政界再編発言にはどうも何の根拠もないように見える。

大丈夫なのかしら。
前原氏の旬は、とっくに過ぎてしまっているように思えるのだが。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年7月18日の政界再編関連の記事をまとめて転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。