【映画評】西遊記2 妖怪の逆襲

2017年09月22日 06:00
Journey to the West: The Demons Strike Back [Blu-ray]

妖怪ハンターの三蔵法師は、病を押して、孫悟空、猪八戒、沙悟浄とともに天竺に向け旅をしていた。道中、孫悟空が、美女に化けては人間を喰らう蜘蛛女たちを退治したが、三蔵法師は孫悟空の手荒いやり方を非難。理不尽さに腹を立てた孫悟空が、三蔵法師を始末しようとチャンスをうかがう中、一行は比丘国へ到着する。比丘国の王は、常軌を逸した気分屋で、三蔵法師は、子どものようなこの王の機嫌を損ねてしまう。困った三蔵法師は孫悟空に助けを求めるが、状況は悪化するばかりで窮地に陥ってしまう…。

アクションファンタジー「西遊記 はじまりのはじまり」の続編「西遊記2 妖怪の逆襲」。続編とはいうものの、キャストはほぼ入れ替わっていて、前作から引き続き登場するのはスー・チーくらいだ。前作で監督したチャウ・シンチーは、続編は作らないというのがモットーだそうで、本作では監督はせず製作にまわっている。とはいえ、メガホンを取るのはシンチーの恩師で、香港のスピルバーグの異名をとる大御所のツイ・ハーク監督なので、それなりの豪華さはあるのだ。「人魚姫」のリン・ユンを起用するなど、女性キャラにも華やかさがある。ただ、肝心の映画の中身の方がさっぱりいただけない。

「西遊記 はじまりのはじまり」は相当にブッ飛んだ内容だったが、それまでの西遊記のイメージをブチ壊す設定は本作でも健在なのだ。だが、笑いという点では、最初から最後までスベりまくりで、まったくノレない。ストーリーも、仲間割れしては妖怪退治の繰り返しで単調すぎる。アクションだけは何とか見せ場を作っていて、美女蜘蛛女とのバトルや、クライマックスに、孫悟空が、映画では有名なあるキャラにも似た“大変身”を見せるなど、ヴィジュアル面はにぎやかだ。だが、西遊記特有のシンプルな楽しさが感じられないのはいかがなものか。ほとんどやけっぱちにしか見えないエンドロールの後が一番面白いのだから、あまりにやるせない。続編と思わず、単独の作品と思えば、かろうじて納得できる映画だった。
【45点】
(原題「JOURNEY TO THE WEST: THE DEMONS STRIKE BACK」)
(中国/ツイ・ハーク監督/クリス・ウー、ケニー・リン、スー・チー、他)
(続編度:★☆☆☆☆)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2017年9月21日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は公式Twitterから)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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