小池都知事衆院出馬、まだあり得る!?

水谷 翔太

振り返れば、2000年代の衆議院総選挙では2度も歴史的な風が吹いてたんですよね!

2005年の郵政解散総選挙、2009年の民主党政権交代。

それぞれ「小泉チルドレン」「小沢ガールズ」などと呼ばれるような多数の新人議員が当選しました。

じゃあそれら暴風雨の後に国民にとってより良い政治が行われたのか、この点は評価が分かれるところですが、なんとなく「盛り上がってんな」感を感じた人は多かったはずですし、何より候補者自身が相当な昂揚感に包まれていました。

僕は橋下徹さんの市政方針に強く共感して大阪の天王寺区で区長をやらせていただいたのですが、政治行政の違いはあれ、周りには今の時代珍しく国会議員になりたい20〜30代の若い人たちが結構います。

「地盤、看板がないから歴史的な風に乗って当選するしかないよな」
「当選しても次通るかわからないけど、そこは当選してからヨーイドン。その後の努力だよな」

って具合のこと、みんな口にしてます。

そういう物言いの良し悪しは別にして、これが現実ですね。

今回もきっと全国の若手でそんな会話が飛び交ってんだろーなーと推察します。

まー12年間に3度も歴史的暴風雨ってなると、「4年に1回起きているのか。それって歴史的??」という気もしますが、「小池百合子」現象が歴史的暴風雨と言えるものになるのか。それとも今朝、希望の党のスポークスマン的立場の若狭勝衆議院議員が言うように「次の次で政権交代」が狙えるレベルの強風波浪注意報にとどまるのか!?今回の衆院選のポイントになってくると思います。

各メディアが行なった最新の世論調査によると、各政党支持率は
自民 58.6% 希望3.9% 民進12.2%(共同通信)
自民31% 希望3% 民進6%(朝日新聞)
自民28% 希望13% 民進5%(毎日新聞)
自民32% 希望9% 民進4%(読売新聞)
となっています。

これらは民進党の前原誠司代表による解党が宣言される前か、あるいはその詳細が明らかとなる前に行われた調査なので、選択肢のうちに民進党が残っています。

民進の支持率も各社バラツキありますが希望はそれ以上にバラツキがありますね。

はっきりいって実際の力量がよくわかんない。

希望と民進が単純合併をしていればアンチ小池の民進党支持者が離れるなどもあったでしょうが、「なんか強い野党が出来上がりつつある」感にほだされて支持してくる浮動票もいるでしょうから、希望と民進の↑の支持率を合算して、10〜20%の幅だったのだと思います。

ひいき目にみてもまだまだ自民党とは10ポイントの差がありましたが、目玉候補の擁立や制作発表など、その後のアッピールの仕方次第で安倍政権の背中を捉える可能性は十二分にあったのだと思います。

しかし後に希望の党小池百合子代表から「安保法制反対などをスタンスとする左派系議員の『排除』」という方針が示され、昨日10月2日民進党左派系議員を中心とする「立憲民主党
の結党が宣言されました。

こうなると希望+民進で持っていた10〜20%の支持率は立憲民主党に一部流れ、安倍政権との差はまた広がってしまいますね。

かくなる上は希望の党が取り得る戦法は2つに1つですね。

1.今回はある程度諦める。若狭議員の言うように「次の次」で勝負をかける。今回はジャブ、次回ストレートで相手(自民政権)を仕留める。

2.考えてみたら公示日までまだ1週間もある。サプライズ1発決めて支持の上積みを図る。

なんとなく流れ的に1かなーと思っておりましたが、複数のマスコミ記者から送られてきた以下本日発表予定の希望の党1次公認候補予定者一覧と思しきリストを見て、ちょっと考えが変わりました。

○小選挙区
【北海道】1区 中島正純(元)▽4区 高橋美穂(元)
【宮城】1区 伊藤優太(新)
【秋田】1区 松浦大悟(新)
【茨城】3区 樋口まい(新)▽4区 大熊利昭(元)
【栃木】1区 柏倉祐司(元)▽3区 渡辺みゆき(新)▽4区 藤岡隆雄(新)▽5区 大豆生田みのる(新)
【埼玉】3区 みわあさみ(新)▽5区 高木秀文(新)▽9区 すぎむら慎治(新)▽13区 北角嘉幸(新)▽14区 鈴木義弘▽15区 高山智司(元)
【千葉】2区 竹ケ原裕美子(新)▽3区 櫛渕万里(元)▽5区 岡野じゅんこ(新)▽6区 遠藤宣彦(元)▽7区 波多野里奈(新)▽12区 樋高剛(元)▽13区 水野智彦(元)
【神奈川】1区 長島一由(元)▽2区 篠崎久美(新)▽3区 勝又恒一郎(元)▽4区 風間法子(新)▽5区 吉岡けんじ(新)▽7区 川野あん(新)▽9区 笠浩史▽10区 市川よしこ(新)▽12区 原てるお(新)▽13区 太ひでし(新)▽16区 後藤祐一
【東京】2区 鳩山太郎(新)▽3区 松原仁▽4区 難波美智代(新)▽5区 福田峰之▽6区 植松恵美子(新)▽8区 木内孝胤▽9区 高松智之(新)▽10区 若狭勝▽11区 (藤田)ちえ(新)▽14区 矢作麻子(新)▽15区 柿沢未途▽16区 田村謙治(元)▽17区 西田主税(新)▽18区 鴇田敦(新)▽19区 佐々木里加(新)▽20区 鹿野晃(新)▽21区 長島昭久▽22区 金ケ崎絵美(新)▽23区 伊藤しゅんすけ(新)▽24区 吉羽美華(新)▽25区 小沢鋭仁
【富山】3区 柴田巧(新)
【山梨】2区 井桁まこと(新)
【静岡】1区 小池政就(元)▽2区 松尾勉(新)▽3区 鈴木望(元)▽4区 田中けん(新)▽5区 細野豪志
【愛知】1区 佐藤夕子(新)▽3区 よごさやか(新)▽5区 野々部尚昭(新)▽7区 中根康浩
【京都】1区 嶋村せいこ(新)▽5区 井上一徳(新)
【兵庫】3区 和田有一朗(新)▽4区 野口威光(新)▽6区 いく村奈応子(新)▽7区 畠中光成(元)▽10区 柘植厚人(新)
【奈良】2区 松本昌之(新)
【岡山】1区 蜂谷弘美(新)
【広島】4区 上野寛治(新)▽5区 橋本琴絵(新)▽6区 佐藤公治(元)
【愛媛】2区 横山博幸▽4区 桜内文城(元)
【福岡】1区 石井英俊(新)▽3区 にえだ元気(新)▽11区 村上とものぶ(新)
【長崎】3区 末次精一(新)
【熊本】2区 荒木あきひろ(新)
【大分】3区 浦野英樹(新)
【宮崎】1区 道休誠一郎(元)
【鹿児島】3区 野間健▽4区 都築美紀枝(新)
【選挙区未定】たぶちまさふみ(新)

○比例代表
【近畿】樽床伸二(元)
【九州】中山成彬(元)

こういうの見ると個別の候補者の方々に「おお、確かこの方は…」という話がしたくなるのですが本論ではとりあえずそれは置いておきます。

希望の党が強い首都圏の、しかも東京の華の1区がぽっかり空いているんですよね。

ほんとはこの東京1区とかを視野に小池都知事の衆院出馬をちらつかせ、都知事の任期途中の出馬が広く支持されるかどうか、風を読んでいたのだと思います。

だけど一部調査で7割の有権者が転出不支持とかになっているのでいろいろ考えておられたのだと思います。

複数のマスコミ記者や関係者から聞いたところ、少なくとも昨日までは1区候補者は決まっていないようでした。小池都知事以外の知名度の高い候補を擁立しようという動きも見られたもののうまくいってないようでした。

だけど、1日経ってこの記事を書いている10月3日深夜。まさに1次公認発表のその日に東京1区が空いているということは、一転本人出馬を決め、タイミングを図っているようにも思えます。

1次公認発表でほとんどの候補を出して2次以降はほとんど出さないそうですから、2次公認があるとしたら東京1区ただ1人。とてつもなく目立つ、ただ1人の候補予定者発表になるのかもしれません。

会見等公式の場では確かに「都知事として総選挙には関わる」とおっしゃっていますが、政治は刻一刻変動しますからね。「事情が変わった」それゆえ「不退転の決意」が固まった…そういうことは十分にあり得ると思います。

まあ、小池都知事ではなく有名人出すんなら、もう少し引っ張った方が演出としては最高かな、なんて。

(とか言ってもう1次発表ギリギリで東京1区決めちゃってたりして)

まだまだ未知数の政党なので賛否いろんな意見もありますが、「現実的安保路線」や「反増税」、「脱原発」を標榜する現政権とは明確な対立軸のある、かつての民進以上に強い政党となる可能性は秘めていると思います。

大前提として党内議員の意思統一、結束が不可欠ですが。

自民一択が長らく続いてきたので、有力な選択肢ができることはいいのではないでしょうか。

まだまだ今回の衆院選からは目が離せません!!

<水谷翔太>

前大阪市天王寺区長、株式会社Field Command’s Triumph 代表取締役

昭和59年9月9日生 早稲田大学政治経済学部卒業後、日本放送協会(NHK)に記者として入局。政治行政、経済、司法等幅広く取材。その後平成24年8月に橋下徹大阪市長が実施した公募試験に合格し、史上最年少(当時27歳)で天王寺区長に就任。行政区として史上初の子育てバウチャーを発行したり、softbankから協力を得て中高生向け即興型英語ディベートスクールを開講したりと先進的な施策を手がけた。 平成28年3月に任期満了をもって退任後は大阪市内に個人事務所を構え、公的機関、企業、病院の企画立案・執行、メディア対策支援にあたる他、講演活動等に取り組む。
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