石原兄弟に強力対立候補が挑む巌流島

東京8区で激突する石原伸晃氏(右)と木内氏(ともに公式SNSより:編集部)

本日(10月12日)の各紙朝刊に各政党の獲得議席予想が掲載された。どれもよく似た予想だが、そのうち、具体的な数字をはっきり上げたのは毎日新聞なので紹介しておこう。カッコ内は公示前勢力だ。

自民289(290)希望60(57)公明30(35)共産14(21)立民33(16)維新17(14)社民2(2)無所属20(37)

この毎日新聞の予想は、希望、公明、共産に厳しい予想となっているのが特徴かもしれない。

それでは、前回総選挙とくらべてどうかといえば、自民は定数が10減って、そのほとんどが自民の強い地域であることを考慮すれば、純増だし、保守系の支持者も多い希望の参入を考慮すれば、260~270くらいが前回並みであって、良すぎる数字ということで、にわかに信じがたい。

希望は自民と実質的には一騎打ちとなった選挙区での健闘がものをいっている反面、東京で苦戦が続いている。現在のところはっきり優位といわれているのは、若狭氏と長島氏くらいだ。

近いし東京では、希望がすでに準備していた候補がおり、それと重複する民進党の立候補予定者が軒並みパージされたので、自民・希望・立民の三つどもえとなっており、個人としての知名度が低い希望の候補が軒並み苦戦していいる。

一方、民進党国会議員が候補のところは、それなりにまともな戦いをしているが、特に注目されるのは、3区と8区だ。ここは自民の候補が石原宏高と石原伸晃であり、希望の候補が民進党にいたが、9月27日の結党時に参加していた14人の国会議員に入っていた松原仁と木内孝胤だ。

思想的には、松原は保守で拉致問題に熱心であるなど小池に近いし、木内は(枝野のような偽称でなく本来の意味での)リベラルだが都知事当時も小池に共鳴するといわれていたから、議席ほしさに希望に参加したという候補者とはひと味違う。

つまり、小池が批判して当選した石原都政の残滓と、小池都政の理念との真っ向勝負ともいえるのが、この二つの選挙区ということになるわけで、都政にとっても天王山であるから、都民もどっちがベターなのか、よく考えて投票すべきだ。

そのほか、旧民進党で希望に参加しているのは、柿沢未途、それから、前回選挙では維新だったが、元民主党幹部でもともと小池に近い小沢鋭仁などがいる。このあたりは、希望の党にとっては、政策立案能力や他党との交渉にあってなくてはならない人材のはずだが、予断を許さない厳しい戦いとなりそうだ。