日本経済が「失われた30年」などといわれているうちに、もう失われる前の日本を知っている人も少なくなってきました。後になってバブルと呼ばれた時代は意外に短く、私が東京の地価上昇の番組を初めてつくったのは1985年、不良債権の番組をつくったのは1992年でした。
いま冷静に考えれば、あの7年は日本の歴史上の例外で、高度成長が終わって成熟期に入る過渡期でした。しかし政治も経済も高度成長期から変わらず、田中角栄の始めたバラマキ福祉が現役世代の負担となり、いまだに「所得倍増」などという60年前のスローガンを持ち出す政治家もいます。それは日本がどこで間違えたかを自覚していないからでしょう。
停滞の原因を政治に求める人が多いが、かつては自民党政権で成長したので、政治だけが悪いわけではありません。それが日本人の国民性だという答も、明治以降の成功を説明できない。そこには縄文時代にさかのぼる日本人の「文化遺伝子」があるのではないか、というのが本書の仮説です。
2025年1月からのアゴラ経済塾では、私の新著『平和の遺伝子:日本を衰退させる「空気」の正体』(12月21日発売)をテキストにして、日本人を呪縛する「空気」の正体を明らかにし、それを打開する道を考えたいと思います。
講師:池田信夫(アゴラ研究所 所長)
テーマ(各回1章ずつ)
- 新型コロナで露呈した「国家の不在」
- 文化はラマルク的に進化する
- 「自己家畜化」が文化を生んだ
- 縄文時代の最古層
- 天皇というデモクラシー
- 公家から武家へ
- 長い江戸時代の始まり
- 明治国家という奇蹟
- 平和の遺伝子への回帰
- 大収斂から再分岐へ
開催日:2024年1月10日から毎週金曜日(全12回)
1月10日・17日・24日・31日
2月7日・14日・21日・28日
3月7日・14日・21日・28日
時間:19:00~20:45
定員:無制限
受講者全員をアゴラサロンに無料でご招待します(受講期間中は無料)。
受講料
- 3ヶ月12回分:3万6000円(消費税込み)
- アゴラサロンの有料メンバー:2万7000円(同)
お申し込み方法:専用フォームに必要事項をご記入いただき、フォーム記載の弊社口座へのご入金をもって手続き完了です。
主催:株式会社アゴラ研究所