時代遅れの規制で電気自動車が行き詰まる

2017年11月17日 11:30

わが家の近所のユニクロが無人で精算する「セルフレジ」になった。商品をカウンターに置くと、その情報をセンサーが読み取り、クレジットカードを入れると支払いができる。店員は横で見ていて、とまどう客を指導するだけだ。

一部のコンビニで導入されているセルフレジは、店員がバーコードを読み取り、客が支払いだけを自動でやるものだが、これでは無人化できない。ユニクロのセルフレジは、商品の情報を無線ICタグで読み取るのが特徴だ。これは商品に小さな半導体をつけ、その情報を無線で飛ばすものだ。

高コストの正社員が自動化のリターンを高める

ICタグの技術は新しいものではない。20年ぐらい前にも「ユビキタス」などといわれ、いろいろな流通企業が試みたが成功しなかった。理由は簡単である。そのコストに見合うメリットがなかったからだ。当時もPOS(販売時点情報管理)システムはあったので、店員がバーコードを読み取る代わりにICタグを使う意味はなかった。

最近セルフレジが増えたのは技術進歩もあるが、最大の原因は人手不足だろう。その原因は単なる人口減少ではなく、サービス業の非熟練化(de-skilling)である。レジのような単純労働は置き換えやすい。

正社員のコストが高い日本は、自動化投資のリターンがきわめて高い。最近、銀行で大規模なリストラが相次いでいるのも、定年退職する銀行員の給料が特に高いからだ。決済業務はATM(現金自動預け払い機)などで完全に自動化できるので、銀行はすべて無人店舗になってもおかしくない。

正社員に置き換わるのはパートタイム労働者だ。彼らの時給はセルフレジのような「機械との競争」で決まるので労働生産性に等しくなり、大きくは上がらない。その市場は急速に拡大しているので、慢性的に人手不足だ。

他方で正社員の事務職は減り、高齢化で賃金は下がる。これが人手不足が続いても(正社員と合計した)平均賃金が上がらない原因だ。こういう現象(要素価格の均等化)は1990年代に中国が世界市場に参入してから始まった現象で、中国の労働者がセルフレジに置き換わっただけである。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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