アイルランド問題で英EU離脱が袋小路に

2017年12月06日 06:00

英国とEU、最後の最後で合意成らず-年内決着は困難の声 (ブルームバーグ)

4日のメイ英首相とEUのユンケル欧州委員長による会談で決着かと思えた交渉が、袋小路に入って深刻な状況になっている。最後に残った課題は三つだった。

①すでに約束した将来負担の支払い

②イギリスにおけるEU市民の地位とその逆

③北アイルランドとアイルランドの国境問題

である。

①は数兆円をはらうことで合意。ただし、実際には10兆円くらいになりそうだ。

②は、お互い様なんでなんとか折り合いつきそう。

そして③だが、北アイルランド紛争がおさまったのは、アイルランドとの国境を事実上なくすことが前提だった。

ところが、EU脱退で、普通に考えれば国境が復活するのだが、それではアイルランドも北アイルランドのカトリック教徒も承知しない。

となると、北アイルランドは事実上、EUに留まって、イギリスと北アイルランドのあいだに国境をつくるかということになる。

この線で話がつきそうになったのだが、メイ・ユンケル会談の最中に保守党と与党を組んでいる民主統一党は、イギリスと北アイルランドとのあいだになんらかの扱いの違いを含む協定は認めないとメイに電話で伝えた。

そこで、まとまったと見えた交渉は振り出しに戻った。

民主統一党など無視したいところだが、彼らをはずすと保守党は過半数を失う。そうなると、解散せざるをえなくなるわけで保守党としては避けたい。

しかし、どう頭をひねっても解決策はない。

そもそもは。国民投票なんぞするべきでなかったし、するとしても、このような袋小路を避ける工夫をしておけばよかったのだが、後の祭りである。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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