日本人は親日派が大嫌い?白鵬イジメの深層

八幡 和郎

Ogiyoshisan/flickr(編集部)

日本人は親日的な外国人が嫌いらしい。

反日的な外国人は朝日新聞はじめ自称リベラルが大歓迎して擁護し援助してくれる。ところが、親日的外国人は自称リベラルからは余計なことをいう奴だと攻撃され、民族派からは少しだけの露出なら喜ばれるが、一線を超えると、気味悪がられて排撃される。
白鵬や日馬富士への袋叩きを見て改めてこの法則を再確認する。

政治でも、相撲の大好きだけでなく、何十回も私的に日本を訪問してきたジャック・シラクが大統領になって日仏黄金時代の到来かと思ったら、地球の裏側のポリネシアで核実験したといって、日本から現職の大蔵大臣までいって反対運動をした。

ところが同じころ日本に汚染が及びかねない新疆での中国の核実験に対しては、誰も強い反対はしなかった。また、シラク大統領が京都の鴨川の三条と四条のあいだにフランス風を加味した歩道橋を架けようと提案したら、「京都にフランス橋はいらない」とか情緒的なスローガンで反対運動が起きてつぶされた。

鴨川の橋の多くの橋で和風のものはわずかだし、和風の橋もそんなに美しい名橋なんぞひとつもない。その後、ブラインド・テストで京都にふさわしい橋はというような調査をすると、このフランス橋は大人気で、もしできておれば京都を代表する景観になっていただろうし、先斗町付近の密集地域で火事が起きたら風向きによってはピザ釜になりかねない状況も解消できるのに本当に馬鹿なことをしたものだ。

私がこうしたことをFacebookで書いたら、こんな趣旨のことをコメントされている方がいた。

「(地方都市で)日本在住の日本語ペラペラの白人男性が日本美人を妻にしていると妬みや遠慮から距離を置くし、ごく普通なる日本女子が妻だと安心して近寄るが白人がサービス精神で日本語で笑いを取り続けると『ヘンな外人』と烙印を押す。

韓国人ホステスが、日本在住歴が長かったり日本男子の彼氏がいることからの親日感情を客へ伝えても信じようとしない」

外国人が軽いのりで日本大好きというのはうれしいのだが、それ以上に、自分たちも知らないような事を知っていたり、立派な日本論を展開すると嫌らしいのだ。

白鵬がなぜ嫌われているのか分析すると、どうも、日本人の夫人をもち、日本のことを勉強しすぎて、自分なりの相撲改革のしっかりした意見も発信し、行動にも移しつつあるのが既得権益を持つ人も含めて、嫌われつつあるようでもある。

そして、思うのは、保守派の人たちも、この問題については、二分されている。幕末にあって尊王攘夷派にも、世界に開かれた視野を持ったうえで、主体性を確保しなくてはいけないと考えた吉田松陰や高杉晋作たちと、単なる外国嫌いの両方がいた。大相撲のモンゴル力士に対する論調をみると同じような現象があると思う。単なる外国嫌いは愛国でも何でもない。