市川市は「中国人カキ殻100t投棄」を解決できるか

2017年12月12日 07:00

江戸川放水路のカキ殼投棄問題について市川市も何ができるのかを考える必要がある

今月5日、「河川敷にカキ殻100トン! 中国人投棄、転倒でけがも 市川の江戸川放水路」との報道がYahoo!ニュースにも掲載され大きな話題となりました。

この報道を受け、市川市民として、また市川市で政治活動を行なって来た者として、恥ずかしながらまず思ったのが、「市川市でカキが取れるのか!」という驚きでした。

次に感じたのが、「なぜこんな事になっているのか。何とかならないのか」という思いでした。

まかりなりにも市川市長選挙に挑戦した者として、市川市におけるこうした問題が報道された事を受け、問題を正しく認識した上で、市としてどういった解決策があり得るのかを考えて行く必要を感じました。

「メディアで報じられたから対応するのか」との指摘をする方もいらっしゃるかもしれませんが、今後も行政課題や政治課題は、常に想定している事ばかりが起こるわけではありませんし、むしろ想定外に出て来た課題に対してどう対応して行くかは重要な事だと思っています。

今回、現場となった江戸川放水路河川敷の場合、その管轄が国交省江戸川河川事務所となるため、市川市としてどういった関わりができるのか、また報道ベースでしか情報がなかったため、近隣住民も含めた関係者の皆さんが現場でどういった事を思っていらっしゃるのかなどを確認した上で、現状と課題を把握した上で、解決策の可能性を考えていこうと思いました。

早速、国交省江戸川河川事務所と市川市役所の担当者にヒアリング

早速12月8日、国交省江戸川河川事務所と市川市役所の担当者にヒアリングを行いました。

そもそも「江戸川放水路のカキ殼投棄問題」とは何かという事ですが、報道でもあるように、市川市内を流れる江戸川放水路河川敷に数年前からカキを採りに来る中国人が増え、以降、河川敷が投棄された大量のカキ殻で埋め尽くされるようになってしまったというものです。

この事で、水辺で親しむ子どもが転んでカキ殻で怪我をするなどといった事例がいくつも出ているそうです。

河川敷は捨てられたカキ殻で約1kmにもわたって埋められており、マスコミ推定では100tにも上ると報道されています。

問題点について、整理をしていきたいと思います。

まず1つ目の問題点として、先述のように既に現状において、捨てられたカキ殻によって怪我人が出ている状況を改善する必要があります。

この江戸川河川敷は「自由仕様」の原則が取られており、子どもたちを含めて近隣住民の皆さんが自由に使われている実態があり、こうした際に怪我をする事がないようにという事で行われたのが、今回マスコミ報道のきっかけにもなった12月4日の国と市、地元自治会などからなる「江戸川放水路水面等利用者協議会」のメンバーなど約70人で行なった河口から約1kmの同市妙典の河川敷でのカキ殻の回収作業でした。

地元住民の要望を受けて、国交省江戸川河川事務所や市川市も協力しての試みだったわけですが、河川敷に積み重なったカキ殻をスコップなどで取り除き、撤去したカキ殻の総量は約30tにも上ったと言います。

あらめて、こうした地域課題の解決は地域住民の皆さんなど、心ある市民の皆さんに支えられているんだなと感じると共に、今回の取り組みにボランティアで協力された皆さんには本当に敬意を評します。

この事で、子どもたちを含めた利用者の安全という意味では、一定の成果があったものと思えますが、一方でこの「江戸川放水路のカキ殼投棄問題」とは利用者の安全が確保されれば良いという問題だったのかと考えなければなりません。

また、この報道があった際に、不法投棄の問題解決をするのに「税金が使われたのではないか」とも思いましたが、国交省も市川市も今回の一連の撤去作業には、あらためて税金を使ったという事はないとの事でした。

厳密に言えば、国交省の職員や市川市の職員の人件費や、備品利用、また今回はボランティアによる実施という事で、約30tものゴミ処理をクリンーンセンターは無料で受け入れており、国交省単体で行なった場合であればゴミ処理は有料だった事などをどう位置付けるかなどという部分はあったりはします。

カキをむやみに採取したり、少なくともカキ殻の投棄を禁止する事はできないのだろうか

この「江戸川放水路のカキ殼投棄問題」、数年前から大潮に合わせてカキを採りに来る人が増え、多くは5~10人の中国人グループで、多い時には100人を超える事もあるという事です。

カキには水質浄化の効果があると言われており、この江戸川放水路の水質浄化を担っていたという事も言われています。

そもそもこの江戸川に生息するカキをむやみに採取される事をこのまま見過ごしていいのかとも考えさせられます。

今回実際に、カキ殻が捨てられている現場を端から端まで見て来ましたが、その量は残されているものから推測しても膨大な量だったことは明らかであり、このまま無規制のままカキを採取されルノを放置したままでいる事や、少なくともカキ殻の不法投棄を制限しない事には大きな疑問があります。

近隣の皆さんからも色々とご意見を聞いて回りましたが、現場的には、何らかの規制をして行く事を求めているように感じました。

個人的に今回調査するにあたって解決策としていくつかの事が考えられましたので、紹介しておこうと思います。

【第1案】江戸川放水路の漁業権の設定

【第2案】江戸川放水路周辺への立ち入り禁止や立ち入り制限の条例制定

【第3案】江戸川放水路周辺の監視など不法投棄対策の実施

などが考えられます。

ただ、どの手法にも一定の課題などもあり、合わせて考えていただければと思います。

 

まず、【第1案】の「江戸川放水路の漁業権の設定」についてです。

今回の一連の「江戸川放水路のカキ殼投棄問題」の元凶は、中国人グループなどを中心としたカキの無規制な大量採取です。

現状のままでは、このカキの採取する事を制限する事ができません。

このカキの採取を制限する方法として考えられる方法の一つが、この江戸川放水路における漁業権をこの地域の漁業組合などに設定するという方法が考えられます。

この方法の最大のメリットは、カキの採取そのものを制限できる様になる一方で、いくつかの課題も見えてきます。

まず、漁業権の設定を行う権限があるのは千葉県であるという事です。

今回の問題がなかなか解決に向けて進んでこなかった背景には、この江戸川放水路を管理するのは国交省江戸川河川事務所であり、市川市が直接やり難い状況にあった事があったと言えます。

この事から考えた時に、国交省、市川市に加えて、新たに千葉県というプレイヤーを増やす事で余計に問題解決が複雑化する可能性があります。

もう一つが、放水路の構造的な役割による課題もあります。

放水路の上流には行徳可動堰が設置されています。

この行徳可動堰は、治水対策として、洪水時にゲートを開放し、江戸川放水路に大量の水を流す事によって周辺での河川氾濫を防止する役割を持っています。

元々、この江戸川放水路ができた事自体が治水対策であり、漁業権を漁業組合などに与えた場合、こうしたゲート開放の度に、その下流にある放水路の漁業に悪影響を与えるために、組合等に補償などが発生する可能性があるという事が、リスクとして考えられそうです。

そもそもがこの対策をとった場合、その主体は千葉県になり、また事前に漁業権を設置する際に、こうしたゲート開放時のリスクを回避できる様なルールを事前に国交省等と協議して準備して行く事などが考えられる様にも思いますが、一方で、市川市としては完全に蚊帳の外になる可能性があり、ハンドリングしにくい対応策とも言えるかもしれません。

 

次に【第2案】として考えらえるのが「江戸川放水路周辺への立ち入り禁止や立ち入り制限の条例制定」です。

これはむしろ国交省が対応が後ろ向きだった際に、市川市が主導権を持って対応できる対策とも言えそうです。

今回問題になっている江戸川放水路は国交省の管轄ではありますが、論理的には、この地域に対しても市川市側で立ち入り規制の条例をかける事は可能そうです。

ただ、この対策にも課題はあります。

課題の一つは、国交省としては例外として立ち入り制限をしている所は全国にはあるものの、自由仕様が大原則となっており、今回の様な事例はこれまでの前例から言えば、自由仕様を制限する様な事例には当たらないとの事でした。

国交省は、今回の江戸川放水路においても近隣住民を中心にハゼ釣りなど魚釣りや野球など様々な形で利用されており、その制限をかけるのが本当にいいのかという考えの様でした。

ただ、今回の問題を考えるにあたって、当該地区が国交相の管轄である事は認識した上でも、地域住民のみなさんを中心に市川市民の皆さんにとって大きな問題になっている事を受けて、市川市側が条例制定する事は可能なのではないかと思います。

勿論その過程においては、市川市側と国交省側での調整は必要にはなりますが、当該地域への立ち入り制限をつけた上で、例外規定等によってこれまで通り市民の皆さんがなど利用する事ができる様にする事は十二分に可能な様に思います。

市川市の行政は勿論、議員立法という形で市川市議会側から提案する事もあっていいのではないかと考えさせられました。

 

最後に【第3案】として「江戸川放水路周辺の監視など不法投棄対策の実施」です。

【第1案】や【第2案】の様に、この江戸川放水路でのカキの採取に対しての制限までは踏み込めないと判断した際の第3の案です。

基本的に今回のカキ殻の投棄は、不法投棄に当たるという可能性が高くなってきました。

一方で、この間の国交省などと警察との協議の中では、不法投棄とはいえ、現状の中では現行犯でなければなかなか警察対応も難しいのではないかと協議をされている様です。

何を持って現行犯でなければならないのかが現段階では不透明な部分もありますが、仮に犯行の証拠をつかむ事ができれば現行犯だけではなく不法投棄で対応できるという事であれば、防犯カメラの設置などによる監視の仕組みを取る事も対応の一つとして考えられるのではないかと考えました。

 

まだ問題解決策としては荒い部分もありますが、市川市における全国規模で話題になった問題の解決をめざす今後の対応を考える際の参考にしていただければと思います。

最後に、今回のこの問題を把握するため協力していただいた多くの皆さん、特にお世話になった妙典地域の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。

寒い河原でいただいたお味噌汁本当に美味しかったです。

引き続き、さらにこの問題についても検討をして行くと共に、今後も市内のあらゆる問題に対して、課題解決策をご提案していこうと思います。

お近くに課題などありましたら、お気軽にご連絡ください。

 

高橋亮平

http://www.ryohey.jp

ryohey7654@gmail.com

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高橋 亮平
メルカリ社長室政策企画参事、一般社団法人政治教育センター代表理事、NPO法人Rights代表理事、一般社団法人生徒会活動支援協会理事長

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