小室圭夫妻の生活設計は皇室にも大きな影響

2017年12月16日 18:00

ご成婚に向け報道もお祝いムードだが…(編集部)

眞子さまと小室圭さんとの結婚そのものは、お二人がお決めになられたら良いことであるが、皇室にとって、なかなか悩ましい宿題を残すことになると思う。

皇室のあり方にも影響するところが大なので、国民的な課題であるし、政府も含めて慎重に検討し、対策を立てることが必要だと思う。

冷静にお考えになられて欲しいのだが、小室さんと眞子さまご夫妻が未来の天皇の姉夫妻として、また、小室さんのお母さんが御夫君の母親として対面を保つ最低限の住宅や生活をするためだけでも相当な収入が必要だと思う。

今上陛下の皇女でおられる黒田清子さん夫妻の場合は、黒田家にそこそこの経済力があり、しかも、黒田さんも都庁のエリート公務員として安定した収入があった。

しかも、お子様はおられないのでなんとかやっておられるようだが、眞子さまにお子様が生まれたら、これも、その出自にふさわしい教育を施さなくてはいけないだろうから、かなり厳しいだろう。

まして、小室家の場合には、横浜市職員だった父親が不幸な事情で早く亡くなり、また、小室家も小室氏の母親の実家も資産家と言うことでない。現在の住まいも3,000万円程度の相場のマンションである。未亡人である小室氏の母親の老後の蓄えが十分であるのでもなさそうで、息子にとっても負担となってくるかもしれない。

また、小室氏は銀行を一年で退職して、一橋大学大学院国際企業戦略研究科に通いつつ、奥野総合法律事務所で働くようになった。弁護士でなくその助手であるから、年収は250万円程度でないかという指摘もあるし、今後、大きく昇給するかというと微妙なところではないか。大学院修了後は弁護士をめざすのでないかという噂もあったが、もともと法学部でもないし、経営系の大学院であるから違うのだろう。

将来は外資系企業で働くとか、眞子さまに支払われる1億数千万円の一時金を元手に夫婦でアメリカに留学してMBAでも取って国際ビジネスマンになるという可能性はあるが、そんな簡単な道ではない。

過去の女性皇族の結婚相手は、いずれも大富豪だったから、経済的な心配はなかった(戦後の混乱のなかで困難は生じたが、それは、仕方ない)。しかし、一般の場合の嫁入り支度、さらには、将来の財産分与のかわりに一時金が出るが、それで、生計を立てるためということではない。

ちなみに、皇族にも個人資産はあって、その相続権は残る。なかには、高松宮家のような富豪もいて(高松宮殿下は有栖川宮家の財産を継承し、妃殿下は徳川慶喜家)、妃殿下の死後は兄弟姉妹などで相続が行われたという例もあるが、秋篠宮家に個人資産が多くあるとは思えない。

同じ理由で、たとえば、眞子様やそのご家族が困窮されたとしても、実家である秋篠宮家から援助するというのは、非常に難しい。

となると、小室圭夫妻の生活基盤はエリートサラリーマンの標準と比較してもかなり厳しいものだと推定されるし、確実な目処はなにも立っていないし、最初に書いた「ご夫妻が未来の天皇の姉夫妻として、また、小室さんのお母さんが御夫君の母親として対面を保つ最低限の住宅や生活をする」ということができるか、見通しはない。

まさか、だからこそ、女性宮家を創設して安心できるようにしたらという人も少ないだろうが、そんなことは、国民感情からいっても広く納得を得られないだろう。男性皇族の結婚相手としての妃殿下の場合もそうだが、実家の親の面倒まで、国民の負担でというのは抵抗がある。

そこで、少なくとも、小室氏の職業基盤が確立するまでは待ったらというのも、一般の家庭でならありそうなことだが、それは、横に置いておく。

とすれば、考えられるのは、かねてから話題になっているように、結婚して皇族の身分を失ってからも、眞子さまに公務を継続してもらい、その報酬を払うことである。身分はたとえば、宮内庁嘱託といった形がよいのではないかと思う。そのあたりの制度的な提案は、『男系・女系からみた皇位継承秘史 ~歴史新書』(洋泉社)に書いたが、そうした仕事は旧宮家の方々にもやってもらうと良いと思う。男系論と女系論に影響を与えるような偏った措置はよろしくない。

また、その職務にともなって、公務員住宅を提供することもあってよいのではないか。一方、小室氏には、もし本人が希望なら、国際交流などの公的団体の職員としての仕事を斡旋するという方法もある。

もちろん、その前に自助努力があってしかるべきという声もあろうが、皇室に近い立場に着目して近づいてくる人々にお世話になることのデメリットも大きい。なにしろ、将来の天皇陛下の姉夫妻なのである。特に、外国がそこに絡むとますますやっかいだ。

その意味では、私は公的に仕事もしてもらい、ある程度の面倒は見る一方で、皇室に近い立場にふさわしい品格を守って頂くように宮内庁がお世話をするのが正しいように思う。

宮内庁は、結婚相手選びなども含めてだが、皇族方の人生に、現在より積極的に関わるべきだと思う。

男系・女系からみた皇位継承秘史 (歴史新書)
八幡 和郎
洋泉社
2017-07-04
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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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