米政府、国家安全保障戦略を発表。注目は軍事力でなくアレ

2017年12月21日 11:30

12月18日、アメリカの国家安全保障戦略が発表されました。

これはアメリカの政権が安全保障政策の基本的な方針を議会に提示するものです。
北朝鮮問題が日常化するなかでトランプ政権がどのように考えているのか注目されました。

今回の国家安全保障戦略の柱は4つです。

(1)国民・国土の防衛
アメリカ国民と国土の防衛についてです。
テロリストや麻薬などの犯罪集団に対する国境管理をしっかり行っていくことや移民制度改革など、これまでトランプ大統領が主張してきたことが盛り込まれています。

(2)アメリカ繁栄の促進
国内経済を活性化させるために規制緩和や税制改革が盛り込まれています。
また貿易不均衡の是正や自由で公正な経済関係の構築など経済的なことが安全保障上の課題でもあるという指摘です。

(3)力による平和の維持
アメリカの価値観と利益の対極の世界を構築しようとしている国として、中国やロシアの名前を挙げています。
これらの国々を修正主義勢力(言い方換えれば”現状変更を試みる勢力”)として、例えば南シナ海の中国による軍事拠点の建設などについて指摘しています。

(4)アメリカの影響力の拡大
中国やロシアが開発途上国への支援を影響力の拡大に利用しているとした上で、アメリカも対抗すべきと盛り込まれています。

今回の発表について多くのマスコミは中国やロシアを名指ししていることを大きく報じていますが、私は(2)「アメリカ繁栄の促進」と経済を盛り込んでいることが重要だと感じました。

国内経済の活性化と貿易不均衡の是正というのは一見すると安全保障とは無関係に思えますが、経済が低迷すれば財政が厳しくなり、そうなれば軍事費・安全保障に回せなくなります。
一方で中国が軍事力を増強して南シナ海に進出し尖閣諸島に迫るのは経済成長で得る資金を軍事費にまわしているという現状があります。

今年の6月、中国に軍事的脅威を感じているインドに行ってきました。

2017年6月27日【インド・安保編】インドもアノ国とトラブってます

現地へ到着した日に見た経済月刊誌には
「中国の軍事的脅威に対しては、インドはまず経済力をつけること」
と書いてありました。
中国は情報を盗み取ったり、著作権無視やパクリ等で不当利益を稼いでいますが、トランプ大統領にとって離脱したTPP(環太平洋パートナーシップ、Trans-Pacific Partnership)は大事だったのではないでしょうか。


編集部より:この記事は、前横浜市長、前衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2017年12月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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