ベネチアで容易にカモにされる日本人観光者

2018年02月02日 11:30

日本人大学生を“ボッタクリ”したとされるレストラン(現地メディア引用のGoogleマップより:編集部)

1月22日に日本で報道された日本人大学生4人がイタリアのベネチアでぼったくりの被害にあった事件はスペインでも主要紙が一斉に取り上げた。

筆者はスペインのメディアで報道された内容から見て、日本のメディアの報道内容に幾分か疑問をもっている。そして、多くの日本人の相手を疑うことをしない、お人好しさを如実に示した具体例だと感じている。

スペイン各紙の報道内容から抜粋して筆者は事件の経緯を追って見た。

事件に巻き込まれた日本の4人の大学生というのはボローニャ大学に留学しているようだ。ベネチアを訪問してサン・マルコス広場に通じる少し手前のレストラン「Osteria de Luca」でメニューにフロレンティノスと名付けられた凡そ400グラムのステーキ4皿、魚の揚げ物1皿、赤ワイン2グラス、それにミネラルウォーターを注文したという。

勘定の段になって出された請求書がなんと1143ユーロ(154000円)となっていた。スペイン電子紙『El Confidencial』によると、彼らは支払うことに疑問を抱かず、クレジットカードで支払ったそうだ。しかし、彼らはこれは内心詐欺行為だと判断して請求書をボローニャまで持ち帰り、警察署に訴えたと報じている。

他紙は、支払ったあとに警察に訴えた。別紙は、最寄りの警察署に駆け付けたと報じている。

何れにしても、そのような高額を請求したことに対し、疑問を戴くことなく、その場で支払うという行為が余りにもお人好し過ぎるということなのである。4人いるのであるから、支払う前にそのひとりが店から出て警察官を探すことも可能であったはずだ。或いは、その場で詐欺行為だとして店の側と口論するか、或いは店内やその周辺に法外な料金を請求されたと触れ回って逆に騒動を起こす行動に出ることも可能であったはずだ。そうすることによって店側の反応を窺う。何しろ、不正行為を行っているのは店の方で、お客の方でないからである。

この出来事がイタリア国内でも報道されてから、北東イタリアの地方紙「Gazzentino」の記者二人がその同じレストランに入り、類似の料理を注文したという。店のオーナーが出て来て彼らに「記者か」と質問したそうだ。食べあと彼らに出された請求書はひとり82ユーロだった。即ち、二人で164ユーロ(22140円)を支払った。

イタリアのANSA通信によると、このレストランの経営者は中国人で、ネットでもそこで食べたお客からの厳しい批判が集まっているという。ビール2杯で16ユーロ(2160円)をぼったくられたお客はネット上で「即座に閉店させるべきだ」と要求した。

更に別の報道によると、ベネチアでぼったくりを経験させられるのはこのレストランだけではないという。3人の女性がパスタの料理を注文して350ユーロ(47250円)を支払ったそうだ。同じく、サン・マルコス広場の近くにあるレストラン「Trattoria Casanova」では、観光旅行をしていたリューク・タングさん家族に526.50ユーロ(71000円)を請求して来たそうだ。最初に今日のメニューと言ってエコノミー料金で食べられるセット料理を注文した。しかし、ボーイは他の料理を色々と薦めたという。そして、彼らが気づいた時には、テーブルは海産物の料理でいっぱいになっていたそうだ。

このようなことだと、ベネチアの観光産業は廃れると考えて、彼は市長のルイジ・ブルニャーロに手紙を送った。それには、526.50ユーロも請求されたのは彼らがイタリア語が分からないのを利用されたのだと言った内容を伝えたそうだ。

それに対し、市長からの回答はベネチアの詐欺行為に走るレストランと同じレベルで、次のような回答をして来たというのだ。

「ケチだ。食べて飲んで、言葉が分からないという。イタリアに来るのであれば、イタリア語を習うべきだ。ほんの少しベネチア語も覚えるのは害にはならない。ロブスターを食べて、お皿にあるものは全て食べて何も残さなかった。ボーイにチップを置いたか尋ねたら、それも無かったいう回答を貰った。ベネチアに来るのであれば、ベネチアにいることを認識すべきで、お金は底を尽き来て穿り出すほどでないといけない」

という内容だったそうだ。

タングさんは取材記者に

「飛行機に乗らねばならなかったので、そこで議論をするのは控えた。しかも、私の両親は高齢で、父は薬の世話になっている身だ。だからそこで騒動を起こして両親を不安にさせるのはやめた。帰宅して、ネットでこのレストランのことを調べると、日本人や韓国人の観光者からたくさんの不満が出ているのを観察できた」

と語ったという。

今回の日本の大学生に法外な料金を請求したことを解明すると市長は答えたそうだが、それは疑った方が良いであろう。タングさんに送った回答の内容を知るだけで、市長のレベルは悪徳レストランのそれと同類であるというのが分かる。

人口55000人のベネチアに年間2400万人が訪れるという。無知な観光客を利用して法外な料金を請求しても、その弊害はすぐには及ばないと考えて悪徳振りを発揮するのが彼らの日常茶飯事の行為になっているのであろう。

それから二日後に警察は2万ユーロ(270万円)の罰金を問題のレストランに科したことが報道された。しかし、マフィアの国で賄賂も横行している国だ。この罰金を払わないで済む抜け道は色々とあるであろう。

CNNが今年観光者が避けるべき世界12カ所を挙げた。その中にベネチアも入っている。同様にバルセロナも加えられた。

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