組織の事情でトラブルを隠す「軍隊」が精強か?

テレビ西日本より:編集部

自衛隊 ヘリ故障“公表せず” 山口県内に約3週間駐機(テレビ西日本)

航空自衛隊の救難ヘリが山口県内で故障し、3週間経っても離陸できない状態となっていることが分かりました。故障したのは芦屋基地所属の救難ヘリUH60Jです。

こうやって不具合やら都合の悪いことを隠蔽するのが自衛隊の習い癖になっています。
この機体、以前から運用しているものか、UH-Xとして新たに採用された機体のどちらかがきになりますが、3週間も飛べないとというのは異常です。

UH-X、新型救難ヘリとして採用された機体は既存のUH-60Jの改良型ですが、何度もご案内のようにLCCが1900億円、調達単価が23.75億円のはずが、調達開始以来平均50億円とほぼ2倍です。

空幕は初めから23.75億円では調達できないと知っていて三菱重工製のこの機体を採用したとしか思えません。つまりは「官製談合」であった可能性が極めて高い、ということです。

この件を空幕長に質問したときにそのように申し上げたのですが、広報からは「そこまで言いますか?」と言われてたので、他にどんな理由かあるか聞かせて欲しいと申し上げました。

他の理由としては空幕の当事者能力があまりに低い低脳集団だった、ぐらいしか思いつきませんが、空幕はそれを是とするのでしょうか。違うなら是非真実を教えて欲しいものです。

本来この調達は国会で問題となるべき案件ですが、どうも我が国の先生方は防衛予算を使うことことばかりに熱心で、どのように使われているか、適正に使われているかを検証することには不熱心なようです。

機体の値段が2倍ということは、常識的に考えればLCCや維持整備費も2倍ということになります。

であれば、整備費が大きく削られている、と推測され、今回のトラブルは整備費が足らなかったので、それが原因ではないかと疑われても仕方がないでしょう。

いずれにしても、故障と、何で3週間も放置されたのかについて、納税者に対して説明責任を果たすべきです。

そもそも救難ヘリに5.56ミリのMIMINIといった豆鉄砲搭載してCSARやるとか、戦争舐めているでしょう。実戦を想定しないから、こういう仕様になるわけです。

※お知らせ
今月のコンバットマガジン連載はリニューアルにつき、一回お休みします。

■本日の市ヶ谷の噂■
次期防衛大綱、中期防ではNSCが陸の予算をバッサリ削る、との噂。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2018年2月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。