安倍首相は行政の長でなく個人として謝罪が必要

2018年03月26日 14:30

党大会で演説する安倍総裁(自民党サイトより:編集部)

自民党大会での演説の冒頭において、安倍総裁(首相)は、財務省の決裁文書書き換え問題について、「行政全般の最終的な責任は私にある。国民に深くおわび申し上げる」と陳謝し、そのうえで、「全容を解明し、二度と起こらないように組織を根本から立て直していく。その責任を必ず果たすことを約束する」と強調したという。

しかし、これはあまり賢いやり方ではない。改竄問題は財務省の責任であり、それについての責任は、まず、、麻生副総理にあるわけで、安倍首相の責任は二次的なものにすぎない。

もちろん、安倍首相や夫人が売買について不当な圧力をかけたわけでないし、その意味で、「関与」したと疑うべき説得力ある根拠はなにも示されていないから、野党やマスコミの印象操作は悪質である。

しかしながら、首相が「関与していたら辞める」といった軽率な答弁をしなかったら、野党やマスコミが執拗な攻撃を事すらなかったのだから、いわば、大将が甲冑を着けずに、敵陣の前に姿を現して、「命中させられると思うならやってみろ」と攻撃の意欲を燃え上がらせるつまらんパフォーマンスをしたのと同じだ。

また、昭恵夫人があまり付き合わないほうがよさそうな相手と付き合って、利用してやろうという悪だくみのきっかけを与えたのも間違いない。昭恵夫人は被害者ではあるが、その加害行為を誘発する浅はかな原因を作ったのは否定できない。

ならば、敵対的な野党やマスコミに対しては戦うべきだが、自らの支持者に対しては謝る理由は十分にあるはずだ。とくに地方選挙の立候補予定者などその最たる対象だ。自民党大会はそういう機会だったと思うが、行政の長としての謝罪に留まったことは、せっかくの機会を逃したということで残念だ。

首相が反転攻勢に出るためには、もともと支持してなかった40%は放置しても良いし、20%くらいはどうなったところで支持してくれるだろうから、支持から不支持に移った10%や、その予備軍の10%の支持を回復したり、つなぎ止めたりすることに配慮すべきだと思う。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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