安倍政権の終幕は近いのではないか

2018年04月11日 06:00

萩生田前官房副長官、加計孝太郎氏(中央)との懇親に臨む安倍首相(萩生田氏ブログより:編集部)

底が抜けたような情報リーク

森友学園と思えば、次は加計学園で連日、「まさか、まさか」ですね。これでは来春の地方統一選、夏の参院選に影響が出ないはずはなく、与党議員も戦々恐々でしょう。与党全体の責任というより、官邸発の問題ですから、「安倍政権はいつまでもつのか」に関心が移っています。

長引けば野党は喜ぶでしょう。喜んでも野党には政権を握る力はありません。自民党の体制を早期に立て直せるかが焦点となります。

9日の参院決算委員会で、質問者の自民党議員が財務省理財局長に向かって、「バカか、本当に」と大声を上げました。森友学園の学校用地として払い下げる国有地の地下に、大量の廃棄物が見つかり、そのため8億円も値引きして売却した案件の真相を解明する場面です。

ゴミを撤去するのにダンプカーを何千台も動員したことにして、財務省職員が学園の弁護士に口裏を合わせてほしいと依頼したという話です。理財局長は口裏合わせの事実を認め、委員会室にどよめきが走りました。事実に反する工作をするのに、相手側の弁護士に依頼したという神経が分かりません。弁護士ならそんな工作に応じるわけはなく、ばれたら弁護士は罪を負います。

情報漏れを想定し口裏工作

職員同士で口裏を合わせるのはよくあるにしても、なぜまた相手を弁護士にしたのでしょうか。「ダンプ4千台」といっても、業者を調べれば、直ぐにウソであることがばれますね。自民党議員が思わず「ばかか」と叫んだというような単純な筋書きではなく、実は弁護士を通じて口裏工作が外部に明るみになることを想定したのだと、私は思います。

財務省理財局の職員には、森友案件の不透明さに反発する者も多く、自殺した近畿財務局の職員も遺書でそうしたことを漏らしていたとの話もあります。政権が動揺すればするほど、上司のキャリア(上級公務員資格者)に対し、部下のノンキャリが公文書の改ざんを含め、自分たちに罪が押し付けられかねないことに不満を強めていたはずです。

次々に新事実が表面化している中で、10日には「加計学園巡り、首相秘書官(当時)が愛媛県、今治市、学園幹部と15年4月に総理官邸で面会した。その際、本件は首相案件だと、秘書官が述べた。そのことを記録した文書が存在する」(朝日新聞)との報道です。

安倍首相の親友が経営する加計学園は、獣医学部の新設(愛媛県今治市)を認可されました。相当、強引な誘致、認可であったようで、野党は首相の影響力の行使を疑っています。首相は「この案件を加計氏から依頼されたもともない」と、反論してきました。

「親友なので案件の話は当然、聞いていた。聞いていただけで、担当部署に口添えなどしていない。正式の審議会で公正に認可の結論をだした」と、説明しておけば、騒ぎにならなかったかもしれません。問題はなぜそうしなかったのかですね。

首相秘書官は国会答弁で「記憶する限り、お会いしていない」と複数回、答弁しているそうです。朝日の報道が事実だとすれば、虚偽の答弁に当たります。

朝日新聞は文書を入手しただけで、報道することは常識ではありません。同席した人に事実確認をして報道するものです。今回はどうだったのでしょうか。

とにかく第一手を間違わず、適正に案件を処理していれば、森友や加計問題で、一年近くも、国会審議でもめ続け、国政を揺がすことにはならなかったはずです。


編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2018年4月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。

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中村 仁
ジャーナリスト、元読売新聞記者

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