東京ゲームショウ2017

東京ゲームショウ2017。
来場者数25万人。
36か国609出展。
うち国内292、海外317で、海外のほうが多い国際色ぶりです。
取材陣も海外勢が多いです。
そして去年に続きVRとeスポーツのプレゼンスが目立ちました。
昨年の模様はこちら。
2010年から数年間のソシャゲブームから、VRとeスポーツに舞台が移った年です。
「東京ゲームショウ2016」
ハードメーカー大手の出展社はソニー・インタラクティブ・エンタテインメントだけ。
著名タイトルが成熟して、マシンを問わないクロスプラットフォームになっていく流れが見て取れます。
「クロスプラットフォーム」をテーマとする公開シンポも開かれていました。
全展示1317タイトルのうちVRが117。
引き続きVRが賑やかです。
各ブースで当たり前にHMDをつけるVRモノが提示されていました。
ソニーVRブースでは、グランツーリスモSPORTなど8種類。
VRは没入感と引き換えに、周囲の観客との共有が削がれるのが難点ですね。
イベントに不向き。
コナミは今冬配信予定のスマホアプリ恋愛シミュレーションゲーム「ラブプラス EVERY」VR体験。
ビジネスデーにもかかわらず120分以上の待ちで、「もう並べない」という措置。
みんなもスキねぇ。
ボルテージ。
白いタキシードのイケメン鴻上大和が白い教会に登場し、バージンロードを歩き甘いセリフを受けて結婚式、という「挙式VR」リアル疑似イベントも開いてお姫様体験。
女子が行列しています。
みんなもスキねぇ。
シャープのロボホンを置いているのはNTTレゾナント。
「ボケるAI」とある。
ロボホンが音声認識とディープラーニングを使ってボケる。
埋蔵金を大胸筋と聞き間違えたり、ミンミンゼミを新撰組と言い間違えたり。
シベリア文太とジョイマンの合体っぽいぞ。
さて、今年の主役、eスポーツです。
あちこちにeスポーツのブースが設けられ、ミニ対戦も行われています。
最終日には優勝賞金100万円をかけ、ストリートファイターなど8種類のゲームによる大会も開かれ、日本のeスポーツに号砲を鳴らします。
ゲームショウ直前、eスポーツ3団体とコンピュータエンターテインメント協会(CESA)、日本オンラインゲーム協会(JOGA)の計5団体がeスポーツ統一団体を設立するとの報道がありました。
統一団体がプロ認定を行い、これまで悩まされてきた賞金規制からも外れ、eスポーツが本格的な産業となる道筋が見えました。
いよいよ日本のeスポーツが離陸です。
CESAの岡村会長(セガ社長)、よろしくお願いします。
そのあたり、Yahoo!に書いておきました。
「eスポーツ団体が統合・新設されます!」
eスポーツの興隆はゲーム実況中継と密接にリンクします。
視聴者1000万人/1日、世界最大のゲーム実況会社twitchは昨年に続き大型ブースを用意、日本市場での本格展開を示威しています。
eスポーツはネット産業でもあります。
ネット環境の整う日本、大いに可能性があります。
一方、ドワンゴと任天堂が著作物利用に関する包括許諾契約を締結し、「ニコニコ生放送」での任天堂指定のゲームを利用した配信活動が公認されるというニュースも飛び込みました。twitchとニコニコ、日本の配信ビジネスはどう動くでしょう。
さて、今回ぼくがVR、eスポーツと並んで注目したのが、学校による出展です。
ゲームを作る次世代の人材がどれほどの厚みを持っているか。
プログラミング教育が小学校で必修化される中、その出口の一つとしてゲームが機能し得るか。
それを確かめに。
今回、ゲームスクールコーナーには40校が出展していました。
神奈川工大、尚美学園大、東京工科大学、デジハリ、日本電子・・。
厚み、あります。
学生諸君、期待しておるぞ。
この日本電子専門学校を運営する学校法人電子学園とぼくは今、「i大」の設立を共同で進めています。
デジタル技術を軸に、産学連携で新分野を切り拓く教育研究スキーム作りです。
このように学生が自ら創り、ビジネスを興していくイメージです。
ヤマダ電機のPC店TSUKUMOのキャラ「つくもたん」が会話したりブースを紹介したりして遊ぶというシステムを、日本電子の学生3人で作ったとのこと。
産学連携の成果をプロが集まる最高の場で示す。
ぼくは学会で論文発表することに興味はありませんが、こういう活動に惹かれます。
韓国政府コンテンツ振興院KOCCAが大きなブースを構えています。
わかってるねぇ。
海外のこうしたポップ&テック産業イベントに日本政府が商談ブースを構えますかね?
KOCCA様とはぼくらのポップ&テック特区CiPとも協定を結びました。
アジアからの世界発信、進めましょう。
コーエー

 

ではまた来年。

編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2018年4月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。