2017年版:ギャンブル依存症が根底にある事件数

2015年、2016年と警察庁で発表された、ギャンブル依存症が動機に合った事件ですが、そういえば2017年度版って出てないよね~と思ってですね、6月1日に警察庁広報課に問い合わせたところ、「2017年度分はまだでてない。統計を出すのは時間がかかる、いつでるか未定」との答えだったんですよ。

そして、それをツイッターで早く出して欲しいな~とつぶやいたところ、共産党の清水ただし前衆議院議員が、確認しますね~とリプ下さり、先生が問い合わせたら、6月4日には速攻で返事が来たんですよね。

なんだかなぁ~と思いません?
あるんじゃん!ちゃんと~。なんでいちいちこんな小さな嘘つくんだろ?

今の官僚ってモリカケでもそうですけど、ホント良く分かんないですよね。
もしくはなんで国民じゃなく政治家の言うことなら速攻聞くのかなぁ?
もっと国民を大事にして欲しいわぁ~と切に願うところです。

まぁ警察庁への愚痴はともかくとして、データを出してくれたことはとにかく感謝!感謝!
こういうのは、議論が深まっている時に出てこないと意味がないですもんね。

さて結果どうなったかというと、
2015年2016年より微増してますね。

ギャンブルが動機にあった事件

これ正確に言うと
罪種別:主たる被疑者の犯行の動機・原因が「ぱちんこ依存・ギャンブル依存」検挙件数と呼ばれるものなんです。

ギャンブル依存って、罪と原因がぱっと繋がらないじゃないですか。
覚せい剤とか飲酒運転だと、原因が「薬」「お酒」ってハッキリしていますけど、ギャンブルだと「窃盗」「横領」「万引き」って言われても、その下にギャンブルがあるなんてわからないですよね。

だから、段々こういう原因があるってことが分かるようになって、入念に調べて貰えるようになったので、件数があがってるのかな~なんてこれは勝手に推測していますが、こうして顕在化してきたことは何よりです。

でも実際はこれは氷山の一角なんですよね。
だって横領事件なんて殆ど刑事事件にしませんから。
会社も面倒なこと、会社の不名誉になることは極力避けたいので、とにかく賠償させて、クビ切っておしまい!って感じで、家族は不本意な尻拭いを余儀なくされています。

当会のアンケート調査では、実に犯罪歴のある人のおよそ8割が、起訴されずに釈放されてますからね。

スライド6

これ本当に家族にとっては大変な苦労なんですよね。
金払わされるわ、本人戻ってきてまたギャンブルやるわで、いつまでも悪循環が断ち切れない地獄が続きます。

ある意味、刑事事件は一つのチャンスなんですよ。
ここで安易に示談をとりつけないで、しっかり罪を償わせ治療に繋ぐ!
司法に携わる人、そして家族にその認識を持って欲しいです。

そしてこういう根が深い問題に、本気で対策をするなら、入場制限程度の依存症対策ではどうにもならないことに誰でも気がつくはずです。

ギャンブル大国日本に、さらなるギャンブル場を増やすなら、付焼刃でない、本気の依存症対策を示して欲しいと思います。


編集部より:この記事は、公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表、田中紀子氏のブログ「in a family way」の2018年6月6日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「in a family way」をご覧ください。