米国の結婚事情:晩婚化のきっかけはリーマン・ショック

2018年06月27日 06:00

紫陽花の蕾が開くと同時に、梅雨がやってきました。そして、6月と言えばジューン・ブライド。ローマ神話の主神ユピテルの妻で、家庭の守護神であるユノがその由来ですよね。また、中世まで欧州では3〜5月まで農作業に追われる事情から、結婚が許されるのは6月だったとも言われています。

ジューン・ブライドの言葉が定着しつつ、日本で最も結婚式が行われる月は6月ではありません。リクルートブライダル総研による2017年の調査では、10月に結婚式を挙げる夫婦が最多で13.3%を占めました。気温、天候、食材など全てに恵まれるだけに、納得です。6月は9.8%と、4月に並び4位に甘んじています。

米国では、結婚情報総合大手ザ・ノットによると一番人気は9月で16%(2017年)。6月は15%で、2位でした。米国で6月は梅雨にあたらないものの、北東部のNYですら気温が30度近く上昇することもしばしば。湿気の高い地域なら不快指数が高まるだけに、6月はしばらく1位から遠ざかっています。余談ですがS&P500種の6月リターンもパッとせず、1928年からの平均で0.7%高と11月と並び5位でした。

日本では長らく晩婚化が取り沙汰されていますが、米国でも結婚年齢は上昇傾向をたどります。2017年は男性の初婚平均年齢は29.5歳女性で27.4歳と、1890年に統計を開始して以来で最高を記録しました。結婚年齢の転機となったのは複合的要因が考えられるものの、やはりリーマン・ショックの影響が色濃く2005年以降、5年ごとに1歳以上も延びています。2005年の初婚平均年齢が男性で27.1歳女性で25.3歳でした。

fitst_time_marriage_age
(作成:My Big Apple NY)

晩婚化が進む背景として、リーマン・ショック後に教育へ投資する若者が増加したことが一因として挙げられます。大卒以上の割合は2017年に34.7%と、2005年の27.7%から上昇していました。

また、経済的な要因も晩婚化を進めていることでしょう。ミレニアル世代の4人に3人が債務を抱え、そのうち25%の債務額が3万ドル以上のところ、結婚式費用の平均は2017年に3万3,391万ドル(約360万円)でした。日本の354万円と近いように見えますが、もちろん地域によって異なります。最高額は予想通りNY市マンハッタンで、結婚費用の平均は何と7万6,944ドル也。これでは、なかなか結婚に踏み切れませんよね。

最近では費用面だけでなくオリジナリティを考慮し、非伝統的な結婚式に目を向けるカップルも少なくありません。こういったカップルは結婚式にイエス・キリストが誕生した場所にあやかって近場の納屋を利用したり、農場や学校など出会いや思い出が詰まったスポットを好むのだとか。インスタ映えも十分で、一石二鳥というわけです。筆者の義理の妹は州立公園で結婚式を行い、居住するマンションの共用スペースを披露宴会場に選びました。結婚は人生のゴールではなくスタートなだけに、地に足をつけた門出を迎えるカップルが増えてもおかしくありません。

(カバー写真:Reinis Melioranskis/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2018年6月26日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑