ネットを危険として規制する時代遅れな日本の薬事行政

2018年07月05日 06:00

医薬品のネット販売には2014年施行の改正薬事法(現医薬品医療機器法)が適用される。一般用医薬品(大衆薬)は適切なルールの下で全てネット販売可能とするが、処方薬から処方箋なしで購入できる大衆薬に変わって3年以内の薬は「要指導医薬品」として販売を禁止し、処方薬は全面的に販売禁止というのが現行の規則である。

処方薬を販売禁止する理由について、厚生労働省は「医療用医薬品については、人体に対する作用が著しく、重篤な副作用が生じるおそれがあるため、これまでどおり薬剤師が対面で情報提供・指導」すると説明している。

処方薬は医師が書いた処方箋を元に販売されるものだから、重篤な副作用は処方箋を書く段階で医師がチェックするのが当然だが、今の規則では、医師ではなく薬剤師が対面でチェックし服薬指導することになっている。

それでは、他国ではどのように規制しているのだろうか。

米国連邦政府FDAのサイトにはオンライン薬局の信頼性について説明がある。最初の条件は薬局として各州に登録されていること。登録が確認されたら、「医師からの処方箋を求めるか」「米国内に住所と電話番号があるか」「利用者からの質問に答える免許を持った薬剤師がいるか」の三点をチェックする。

カナダ・オンタリオ州も同様である。「こんなオンライン薬局は怪しい」リストの頭は「The website doesn’t ask you for a prescription. 薬局サイトが処方箋を要求しない」。

市中には偽物の薬が出回っている。わが国でも偽薬を販売して逮捕される事件が起きている。米国もカナダもオンライン薬局が偽薬を扱って健康被害が出るのを心配して、処方薬を扱うオンライン薬局の利用を呼び掛けているわけだ。

わが国とは方向が逆である。米国やカナダでは調剤薬局制度を利用してオンライン薬局での偽薬販売を防ごうとしている。一方、わが国の規制では、オンライン薬局で大衆薬の偽薬が販売される恐れがある。

ネットは必然として安全管理規制を導入した米国・カナダに対して、わが国は依然としてネットは危険であるとして規制している。時代遅れも甚だしい。

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