主婦ブロガー「社会の底辺の人とは関わってはいけません」

2018年07月11日 06:00

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

2016年の夏に炎上した「社会の底辺の人とは関わってはいけません」というブログ記事があることを人から教えてもらいました。東京の兼業主婦のブロガーAさんです。

SNSやコメント欄ではかなり炎上をしていますが、その中でも「まあ分かる」というコメントも見られ、なかなか意見が分かれています。興味深く一つずつ読み、思うところがあったので今回取り上げさせていただきたいと思います。

彼女さんがいう社会の底辺の人たちとは?

そもそも、社会の底辺の人と一口に言っても、人によって連想するイメージが異なります。Aさんが主張する社会の底辺とは次のような人たちを指しているようです。

第1階層 上級公務員、経団連加盟大企業勤務者、難関国家資格、成功した起業家。配偶者含む

第2階層 2流中規模会社勤務者。2流公務員

第3階層 中小企業勤務者、ニート

第4階層 フリーター、非正規社員、派遣社員、飲み屋、風俗嬢など売春婦

あれ?ニートとフリーター逆じゃない?と思われたでしょうか?間違ってこうなったのではなく、底辺社会で揉まれた経験のないニートの方が精神汚染度が低いために、フリーターよりはマシとしているようなのです。

で、このカテゴリの第4階層の人たちと関わることはご法度という主張です。その理由を彼女は次のように上げています。

関わるべきでない理由1. 犯罪に巻き込まれるから

ニュースでやる凶悪事件の首謀者は大抵この階層の人です。関わったら命を失うかもしれないでしょう?だから「こんにちは」さえ、しちゃダメなのです。

関わるべきでない理由2. 頭が悪いから

底辺階層の人は、ほとんど一生底辺階層です。たとえば売春婦が、丸の内の会社に転職できますでしょうか?

彼女の主張によると、このような人たちを階層に分類でき、関わってはいけない理由があるというのです。

私は第2階級以外は全部経験しました

私は第4階級出身者です。飲み屋と風俗嬢はやっていませんが、23歳までフリーター派遣の非正規社員でしたので立派な第4階級。そして私の弟は関東の理系国立大学を卒業して、現在は人工知能の開発研究するデータサイエンティストの職業についていますが、23歳まで中卒フリーターでしたので兄弟揃っての第4階級出身です。あとおまけにシングルマザー育ちで、購入した家も借金のかたに銀行に取られた経験がありますから第5階級かもしれません(笑)。

元々、私は第4階級の出身ですが、就職して丸の内ビルに入っている金融会社の正社員もやっていましたので、第1階級も経験したことがありますね。ニートもやっていましたから、第2階層以外全部経験したので、その立場から2つコメントをさせてもらいたいと思います。

1つ目は「言わんとしていることはまあ分かる」ということと、2つ目は「確率論のお話という注釈をつけると良かったのかもしれない」ということです。

表現はともかく、まあ分かる

1つ目のコメントですが、分からなくもないんですよね。彼女の言う階級が違うと話を合わせるのが難しいという側面を体験したことがあります。

公立の小学校って人間関係がものすごく複雑に交錯する場だと思うんですよね。クラスメイトにはいろんな人がいて、ハーフの子とか、医者の息子、金持ちのお嬢さんとか、うちみたいな貧乏家庭とか、親がチンピラみたいな子が一緒のクラスにいたりします。彼女の定義を借りるならば、未来の第1階層から第4階層までごちゃ混ぜにした感じになるわけです。

成長した後に同窓会で再会すると、お互いに歩む道が違いすぎて結構面白かったりします。私は先日、たまたま小学生時代の友人だった人と交流しました。昔話は面白かったですし、楽しい時間でしたが、驚かされたのは同窓会に参加した彼の話です。「同窓会では、小学校時代のヒエラルキーが未だに健在だった」という話を聞かされました。

同窓会では、元同級生同士が小学生時代のノリで相手をからかったことが原因で軽く衝突があったようです。怒った一人から「お前調子に乗るなよ。○○君にチクってしばいてもらうぞ」という言葉が飛び出したといいます。チクる、しばくって小学生、中学生の言葉じゃないですか。それを30超えた大の大人が、未だに相手をコントロールするための道具にしているわけです。

「おいおいもう少しスマートに言葉を使えないものか?」とツッコみたくなるのを抑えるのに必死でした。というか、小学生時代のクラスの順列が未だに生きているというのは想像の斜め上すぎて信じられません。つくづく、小学生の人間関係はカオスだなと思いましたね。

Aさんが主張する、「底辺は犯罪者や頭が悪い人」というのは、断定は出来ないものの確率の高さからいってその傾向があることは否定できない事実ではないでしょうか。難関大学卒、大学院卒と比べると、中卒の方が犯罪者になる可能性は高いのはデータでも示されていることですし、漢字が読めない、コミュニケーション能力が低いという教養の差も同じことが言えます。

丸の内界隈で金融業をやっている人と、中卒とでは共通の話題を見つけることがかなり難しいですし、お互いにメリットを見出すことも難しいでしょう。積極的に関わることへの大きなメリットがあれば別ですが、その逆はありえるという意味で彼女がいう「関わっちゃダメ」は分からなくもないんですよね(極論であったり、表現の仕方が正しいかは別)。

「底辺=リスク」ではなく、あくまで確率論での話

世の中は確率で縛られています。「絶対」は世の中にないのです。エジソンは小学校中退ですが、世界最大の発明王です。東大卒でも犯罪者として禁固刑になった人もいます。でもその反対であることが世の中には圧倒的に多いのです。

小学校を卒業できなかった人は、東大卒よりはるかに犯罪を起こす確率は高いことがデータでも示されています。そう、「底辺は頭が悪くて危険だから関わってはいけない」というのは、確率論で語るべき話なのです。

先ほどいったように私は元々第4階級出身で、周囲から下に見られる経験をずっとしてきましたが、丸の内ビルの中にある会社に就職した時に、突然周囲の見る目が変わったのを体験しました。いきなり「丸の内にある外資系企業勤務のエリート」という扱いを受けることになってしまったのです。

内定を得るのは瞬間的ですが、別にその瞬間自分の性格が変わったり知性が向上したわけではありません。あくまで就職先が世間で良しとされるところだった、ただその事実しかないのです。周囲の手のひら返しに驚きを隠せませんでしたね。人が見ている部分なんて表層的なものに過ぎない、ということを嫌という程理解させられたものです。

私は今のビジネスを始めてから、比較的彼女の言う階層の高い人たちと関わることが増えました。知人には年収1億円を超えるビジネスマンや、駅前の商業ビルを持ってものすごい賃料を受け取り続けている資産家、何十冊も本を書いているベストセラー作家などがいます。

が、その一方でフリーターをやっている「(彼女の言う)第4階級」の友人もまたいるのです。私がその友人と付き合っているのは尊敬をしている部分があるからです。「これはかなわないなあ。すごいな」と思えるポイントをその友人は持っていて、会うたびに楽しく話が出来るので友達をやっています。

犯罪者でも頭が悪いわけでもありません。ただ、彼女は実家の両親を介護しなければならず、正社員になりたかったけど初めから諦めている、という悲しい理由があります。ですので、フリーターだから、非正規雇用だから、それだけで「社会の底辺で口を聞くべきではない」とは思えないのです。

飲み屋の店員さんがいるから、おいしくお酒が飲めます。フリーターをやってくれる人がいるから、企業は利益を多く残すことが出来ます。風俗嬢がいるから、性犯罪の抑止力になっている部分があると推測します(これについてはデータが未知数ですが…)。

職業に貴賎なし、というのはそういうことなのだと思っています。みんな必要だから存在しているわけです。「自分は関わらないぞ」と決意するのは自由ですが、ネットで呼びかけるなら留意するべき点があったのではないかと思うんですよね。

確かに犯罪者は第4階級が一番可能性が高いのかもしれません。でも、それは統計データ上の話なだけで、絶対的なものではないのです。階層に分けることがそこまで悪いとは思いませんが、「あくまで確率論での話である」という展開なら良かったのではと私は感じました。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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