米国の中間選挙の行方が金融市場にも影響か

米国では今年11月6日に中間選挙が実施される。米国議会選では435の下院全議席と上院33議席(総議席は100)が改選される。米国の下院議員の任期は2年、上院議員の任期は6年となっている。上院議員は2年ごとに3分の1が改選されることから、大統領任期4年の2年目に選挙が行われ、これが中間選挙と呼ばれている。

与党・共和党が上下両院で過半数を維持できるかがひとつの焦点となっている。上院は共和51、民主49(無所属含む)で拮抗している。もし中間選挙で与党・共和党が敗れるようなことになるとトランプ政権の今後の政策運営にも影響を与えることとなる。

つまりこの中間選挙によってトランプ政権のこれまでの政策の是非が国民に問われる。トランプ大統領にとって初めての全米規模の信任投票ということになり、次の大統領選挙にも影響を与えよう。

このためトランプ政権は公約を果たすために、税制を改革し、中国を中心に貿易戦争を仕掛けるなどしている。これが米国株式市場を揺るがす事でトランプ・ショックとも呼ばれた。ただし、これにより米国株式市場の地合いが大きく悪化するようなことはなく、トレンドはしっかりしている。

中間選挙で注目すべきは拮抗している上院の行方か。トランプ米大統領の支持率が就任初期の水準まで回復したという調査結果も出ているそうだが、いまのところはトランプ大統領の貿易面での強攻策、ロシア、中国そして北朝鮮との外交政策についても、大きなミスは犯していないとの認識を米国民は持っているのかもしれない。

いずれにしてもこの中間選挙の結果は金融市場も大いに注目せざるをえない。上院で共和党が過半数を割り込むことになると、事態は大きく変わってくる。米国株式市場や為替市場でのドルの地合いがこれによって変化する可能性もある。もちろんトランプ政権がこの選挙で確固たる信任を得たとしても、トランプ・リスクは残るわけではあるのだが。


編集部より:この記事は、久保田博幸氏のブログ「牛さん熊さんブログ」2018年7月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。