政治討論番組の衰退:人気稼業の人がヒール役を買って出るのは難しい

9月終了が決まったTBS「時事放談」(番組サイトより:編集部)

政治討論番組が退潮傾向のようである。

悪役が登場しないから面白くないのだ、とアゴラの編集長がズバリ本質を突くような問題提起をされておられたが、今の世相でわざわざ悪役を買って出てくれそうな政治家や有識者を見つけるのは難しい。

皆さん、それぞれに人気商売だからうっかり悪役を買って出て袋叩きにあったら、なかなか表舞台に登場するのは難しくなる。一度か二度くらいはチヤホヤされることもあるかも知れないが、悪役を買って出た人はどうしても嫌われる。

世の中には他人から嫌われることが嫌いな人ばかりだから、まず、自分からわざわざ悪役を買って出るような人はいない。

世間には、ヒール役にふさわしい人が結構いる。

有識者や政治家にはいなくても、あちらこちらにいるから、あえて探すまでもない。
日替わりではないが、週替わりで次々と新しいヒールを登場させることが出来るから、わざわざ政治番組で特定の人にヒール役を演じてもらう必要がない、といったところか。

つい先日は、日大のアメフット部の監督、その次は日大の理事長、今度はアマチュアボクシング界のドンや東京医科大学の理事長や文部科学省の幹部、と言ったところか。

目移りするくらいに次々とヒールが登場する。
あらゆる分野で同じようなことが起きているのだから、政治討論番組の視聴率が低迷し、ついには番組自体がなくなってしまう、というのは自然のことかも知れない。

まあ、それにしても、政治討論番組に登場する人たちがかつてと比べて小粒になった、ということは間違いなさそうだ。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年8月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。