IHIの“ヨイショ記事”を書く日経

2018年08月28日 06:00

次期戦闘機、離陸なるか国産エンジン IHIの先端技術(日本経済新聞)

日経の企業報道部 朝田賢治記者の記事ですが、ほとんど捏造に近い提灯記事というか妄想記事です。
この人の名前は覚えておきましょう。よくこんな胡乱な記事を署名で書けますよね。ある意味羨ましい。ぼくがこんな記事を書けと強要されたら
筆を折りますけどね。

XF9の推力はエンジンの噴気ガスに燃料を噴射する「アフターバーナー」使用時で15トン。夏村匡防衛システム事業部長によると、「同等の出力を出せたのは米国とロシアだけ」で、欧州の最新エンジンをもしのぐ。FXの開発に名乗りを上げている米ロッキード・マーチンもFX9エンジンの採用に言及している。ついに第2の「零戦」が実現する――。そんな期待が高まっている。

これは大石英司氏も批判されております。

凄いヨイショ記事で、「第二の零戦」とか出てくる辺りでお察しな記事ですが、国民にとって大事なのは、それがF119と比較して、ドライで同じ性能を出せるの? せめてF22と同等の速度と時間、スーパー・クルーズが出来るんですか? という話でしょう。ABの推力を自慢されても何の意味も価値もない。しかもこれから採用するとなると、当然、F119を上回ってなきゃならない。そうでなければ、次期戦闘機に採用なんて無理ですよ。

ABパワーなんてどうでも良いから、これがドライでF119より優れている理由を説明してくれなきゃ、国民としてはその性能を真に受けるわけにはいかない。

まあ、MRJのローンチのときの記事もそうだけど、日本の技術スゲー的な夜郎自大。

それに第二のゼロ戦って、F-2のときも言われたわけですよ。
それをマスメディアやマニア誌までろくに検証せず(あるいは知っていて)にお花畑で持ち上げたわけです。
日経には学習効果という言葉がないんでしょうかね?

IHIサイトより:編集部

国産技術によって夢のような戦闘機が開発できると。
ところが、できたのはF-16のデッドコピーです。レーダーの不具合も公式には認めず、こっそり改修したけどのかなりの年月がかかった。

で、調達数も結構削減されたわけです。
あれは当時の石破長官が悪いという声が未だにあるが役所の力学を知らないたわごとです。
たかが防衛大臣ごときが、反対できるものですか。それが証拠にあれだけ石破氏が反対したP-1の開発は推し進められました。F-2の調達数が減らされたのは当の空自が失敗作だと認めたからです。

そして防衛省や空自が自画自賛するほど画期的なレーダーやFCSならば、F-15の近代化も国産を使えば良かったが、それをしなかったわけです。情緒的な国産大好き擁護は贔屓の引き倒しにしかなりません。

ジェット戦闘機のエンジンを一から開発して製品化したことがないのに、サラッとそれを作りました。
日本バンザイと。MRJのローンチのときもそんなはしゃいだ日経の記事がありましたが、全く反省していない。

実績がないメーカーが、米ロを超えた、少なくとも匹敵するエンジンを作れるのだと宣伝するのは工学を知らないのか、嘘をついているかその両方と思われてもしかたないでしょう。

国産のステルス戦闘機の実験機「X2」に搭載した「XF5」や国産のP1哨戒機用エンジン「F7」が生まれ、XF9につながった。

結局IHIは民間エンジンの下請けとライセンス品しか作った経験がないわけです。
F7にしてもその先に民間用エンジンとしてうる派生型があるわけでもなし、P-1専用でコスト意識もなくて、作られたわけです。自分の責任で完成品のエンジンを開発して、販売したことがない。F7のユーザーの海自にしても実質官営商売ですから、部門同士の取引であって文句たれても調達が切られることがない。

そういう会社が「製品」つくって市場で売ったらどうなるかということはMRJが反面教師としてあるわけでしょう。
それで日の丸戦闘機エンジンマンセーと騒ぐのは知性の欠如としかいいようがない。

あるいは何かの意図があっての世論操作のための記事、例えば官邸の意向を忖度したとかね。
それでもネトウヨは日本スゲーと感動するわけですよ。

まあ、少なくともまともな報道機関の掲載する記事じゃありません。

■本日の市ヶ谷の噂■
海自将官OBたちが、米国経由で台湾に日本の潜水艦メーカーOBの斡旋を画策との噂。

※現在ぼくのツイッターアカウントが凍結されております。最近の市ヶ谷の噂をツイッターで拡散していただければ
幸いです。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2018年8月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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清谷 信一
軍事ジャーナリスト、作家

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