石破茂氏の「にわか極左」迷言の数々を糾す

2018年09月18日 17:30

石破茂氏が安倍首相に対抗しようとして、突拍子もない発言を続けている。引き合いに出して申し訳ないが、立憲民主党でさえそこまで言わないだろうという感があって、左派と言うより、反体制的な極左になったかという印象すらある。

銀座で支持を訴える石破氏(Facebookより:編集部)

東京・銀座で街頭演説を行い、15日に死去した女優の樹木希林さん出演の映画「万引き家族」を引き合いに出して、「悪いことだが、万引しないと暮らせない家族がある。どうしたら幸せに暮らせていけるか。その人たちが働ける環境を作っていかないといけない」と語った。

しかし、万引きする人のどれだけが万引きしないと暮らせない人たちなのか?あまりにも愚かなたとえ話だ。戦後の食糧難で孤児達や物乞いがあふれているような時代にしか聞いた記憶しかない極論だ。

領土問題をめぐるプーチン発言についての石破発言もひどい。「領土問題と平和条約は一体だ。国益や国家主権を考えれば当たり前だ」とテレビで発言した。

しかし、それなら、日中の平和条約は尖閣を棚上げにして結んだし、日韓も竹島を棚上げにしている。友好国同士で国境未確定とか紛争抱えてる例なんていくらでもあり、平和条約より国境画定が後回しでも一般論としては構わないのである。

北方領土問題については、日本側が領土問題ぬきでというのはダメと主張しているだけで、普遍的な原則ではない。それを混同しているのでは、思考能力の水準が問われかねないし、そういう人が外交交渉をやっては危なくて仕方ない。

安倍晋三首相が「平和条約が必要との意欲が示された」と説明していることについて、「かなり無理がある」と述べたらしいが、与党の政治家なのだから、「首相もいろいろ苦心の表現をされているという印象」という皮肉をいうくらいに止めといた方が良いと思う。

石破氏は憲法改正についても、「国民投票で51:49は避けるべき。6割7割賛成をいただきたい。国会で2/3を取っただけではダメ」といっているが、これも、おかしな発言だ。

現在の憲法の最大の欠点は硬性憲法すぎることだ。それはある世代の意見をのちの世代に押しつけることになっている。その厳しすぎる規定をさらに勝手な忖度で厳しくするのはなんお正義もない。

国民投票で否決されるリスクを避けたいという党派的な思惑なら理解できるが、それならそういえばよい。その場合でも、「だいたい、確実に勝てるという見通しがないと」とかいうに留まるべきで、国民の三分の二ほどが投票で賛成しないといけないというのはまったくどうかしている。

それは、国民の意思が否定されるということで、民主主義とはもはやいえない。

こうした石破氏の迷走の数々をどうみるかだが、私のFacebookで領土問題に関連してコメントを寄せてくれた一人の方は、「石破さんは、こうやって原則論に立ち返ったつもりの議論をするのが好きなんですよ。でもその前提の知識が結構あやふやだったりするので、破綻しがち」とおっしゃっているが、もっともだ。

さらに、私なりに解釈すれば、もともと自分が主張してきた考え方と乖離した極左的な主張を、朝日新聞など偽リベラル系の喝采を浴びたいからか、総裁選挙後に離党して彼らと組むときに有利とみるからか、それとも、党内や霞ヶ関、あるいは、保守中道派からの支援を受けられなかったので、偽リベラル系の寄せ集めブレーンに頼ったからなのかどれかだという気がする。

しかし、石破氏自身はともかく、党内でそれを支持する人たちは、いくら、それがポストと利権を求めての権力闘争の一環であるといっても、このようなお粗末な発言を本気で支持するのであろうか。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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