黒潮で発電、「かいりゅう」はエネルギーミックスの一翼を担えるか

2018年10月27日 06:00

10月17日、IHI横浜事業所を訪問し、海流発電の実証試験機「かいりゅう」を見てきました。

試験機は100kWの出力で、タービン翼(FRP製、貝などの付着防止の塗料で保護)の直径は11メートルが2機、全体ではかなり大きな構造物です。(全長、幅とも20m程度、高さ6m、重さは300t)水中浮遊式で海底からロープで空に上げる凧のように海中に浮かべ、海流を受け発電します。風に比べ水流は物理的に800倍の密度があるとのことです。タービンの回転速度は風力より遅く15回/分程度で(ちなみに実用機ではさらに遅く6回/分程度)、アンカーは6m x 6m x 3mの大きさ、300t。実証試験の全体予算は40億円だそうです(うち試験機の建造費は10億円)。

エネルギー源は日本近海を流れる黒潮で、およそ2~3ノット、幅は100kmで1年中変わらず潮流があります。そのエネルギーポテンシャルは205GWとの試算もあり、膨大なエネルギーが眠っていると言えます。大きな潮流は安定した発電が可能で、さらに水面下にあることで、台風や高潮などの影響も受けません。また、上部を船舶が通行しても問題ないとのことです。

計画している設備は実用化段階では、1機2MWの出力を想定し、直径40mのタービン翼が2枚とのことです。機械の大きさはタービン翼が大きくなる分、幅は大きくなるが長さは試験機とそれほど変わらず30m程度。ちなみに2枚のブレードは逆回転で回り、全体のバランスを取るとのことです。稼働率は50~70%を想定し、他の再生可能エネルギーに比してかなり高い稼働率が確保できるそうです。(太陽光発電は15%程度、洋上風力発電で30~40%など)10MW程度のシステムが建設できれば、40円/kWhの発電コストが実現可能とのことです。開発が進めばさらにコストダウンが図れるはずで、十分に採算にのる発電システムです。

現在のシステムは基礎的な技術から全て日本製とのことで、量産も可能であり、純国産のシステムとして日本の新しい産業分野になると期待できます。世界では黒潮の流路から台湾、メキシコ湾流から米国などへの輸出が想定できるとのこと。

課題は漁業との調整、海洋生物への影響などがありますが、今年度後半から予定している離島での長期発電実証試験の実施で、各種データが取れるものと思います。乱開発にならないように事前に想定されるリスクや影響を潰しておくことが重要であると伝えました。

エネルギーのポテンシャルからすればトータル5GW程度の開発は十分可能ではないでしょうか。エネルギーミックスの一翼を担えるように応援してゆきます。

山崎 誠 立憲民主党衆議院議員 神奈川県第5区(戸塚区・泉区・瀬谷区)総支部長、立憲民主党政策調査会副会長、エネルギー調査会事務局長
環境・エネルギー・地方創生・社会保障政策・教育政策を中心に活動を展開。 元横浜市会議員、日揮株式会社、株式会社熊谷組勤務。山崎誠政策研究所代表、森びとプロジェクト委員会顧問、よりそいサポートネットワーク事務局長等

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山崎 誠
立憲民主党衆議院議員 神奈川県第5区(戸塚区・泉区・瀬谷区)総支部長、立憲民主党政策調査会副会長、エネルギー調査会事務局長

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