ゴーン容疑者の住所がダダ洩れ!晒し過ぎの登記簿制度

2018年11月23日 06:01

元港区議の益満寛志です。

「財界の舛添要一」と呼ばれつつあるカルロスゴーン容疑者ですが、さっそくテレビのワイドショーではセコい横領疑惑報道が祭り状態となっております。

合コンでトイレ行くふりして密かに「領収書ください」と言ってるサラリーマンの拡大版みたいな感じで、まあ全く本質的な話ではないのですが、世論操作の効果はバツグンでした。第一ラウンドは東京地検特捜部の大勝利といったところでしょうか。

本質的な話は置いておいて、小生も些末な話で攻めたいと思っております。

ゴーン容疑者の自宅がある元麻布ヒルズ(Wikipediaより:編集部)

テレビでは「ゴーン容疑者の自宅」ということで元麻布ヒルズ(あのへんな形したマンション)が繰り返し出ていました。

素朴な疑問ですが、どうして自宅までわかるのでしょう?
やっぱり有名経営者ならそういう情報がマスコミに流通するものなのかな?
と思いがちですが、実は誰でも入手可能な情報なのです。

会社を設立する時や会社の目的・役員などに変更があった際、どんなに大きな会社も零細企業も、法務局という役所に行って「会社作りますよ」「会社の内容がこう変わりましたよ」という登記申請をします。

その際、代表取締役は住所を出さなくてはならないのです。印鑑証明書も添付するため、住民登録された正式な名前と住所を記載する必要があります。

「俺はそんなことやらん!」
と言っても通りません。会社法第911条に書いてある規定なのです。

さらに同法には、代表取締役が引っ越した場合は2週間以内に変更後の住所を登記しないといけませんよ、という規定もあるのです。面倒ですね。

余談ですが、「代表取締役」というのは会社法に規定されているオフィシャルな肩書ですが、「社長」「会長」「CEO」といった肩書は勝手に名乗っているだけのものです。なので登記簿上は出てきません。
名刺には「代表取締役課長」でもいいし、「代表取締役島耕作」と書いても会社法上は一応OKです。

そんな登記の制度ですが、実は登記された情報は誰でも閲覧可能です。
しかも現在はネットでも確認できるのです。

登記情報提供サービス
というサイトにアクセスし、利用者登録をすると使えるようになります。
調べたい法人名と所在地を入力し、1社あたり335円をクレカで決済すると登記簿が見られます。

さっそく、日産の情報を入れてみます。
するとどうでしょう。

東京都港区元麻布一丁目3番1−1706号
代表取締役
カルロスゴーン

めちゃめちゃ出てますね!
別にノゾキ趣味でも何でもなく、お上によって公表されている情報なのです。
記者会見に出ていた西川社長の住所も載っています。

ゴーン容疑者の住所でググると元麻布ヒルズが出てくるので、これでわかってしまうのですね。
代表取締役たるもの個人情報もくそもあったものではありません。たとえば旦那さんが小さな居酒屋を法人経営してたとして、登記上、代表者であればあなたの家の住所が国によって晒されているわけです。

これで終わりではないのが登記簿制度のすごいところです。

野次馬根性の読者諸兄としてはカルロスゴーン容疑者がどれくらいの広さの家に住んでるか知りたいですよね。

え、別に知りたくもない?

まぁ興味もないのですが、所有者や抵当権の状況、広さを調べる方法もあります。
ここでも登記簿制度が登場します。

世の中の不動産は登記という制度によって保護されています。
勝手に売買されたりするのを防ぐのですね。

※ちなみに積水ハウスが騙されたことでも話題になった「地面師」と呼ばれる人々は、偽造の印鑑証明書や身分証を作っては偽の登記をしたりします。実に怖い話です。

で、本来であれば所有者の権利を守るためにある不動産登記簿ですが、こちらも法人と同様、誰でも登記情報を閲覧することができます。

閲覧方法は先ほど紹介した「登記情報提供サービス」を利用します。

ただ、不動産の場合は少し特殊で、一般的に使われる住所ではなく「地番」というものを入力する必要があります。

もっとも調べ方は簡単で、調べる対象地域の法務局に電話すると、オペレーターの人が出て「○○マンション○○号室の地番(マンション部屋の場合は家屋番号)が知りたい」と言えば教えてくれます。

その地番を「登記情報提供サービス」に入力すると登記情報が出てくるのですね。

さてゴーン容疑者はどんな家に住んでいるのでしょうか。
登記簿を出してみます。

ゴーン容疑者が住む「元麻布ヒルズフォレストタワー」は森ビルの高級賃貸住宅ですので、所有者は森ビルとなります。

平成14年(2002年)築で149平米。
月に1週間程度しか日本にいなかったということなので、まぁ十分なのでしょう。

物件名をググってみると、少し上層階で同じくらいの広さの部屋で家賃133万円だそうです。巨大企業の経営者としては妥当っちゃ妥当でしょうか。

この登記簿制度ですが、住所さえわかれば所有者情報や広さ、借り入れの状況などが調べ放題です。
嫌なヤツの自宅登記簿を調べて
「意外と家狭いんだな!」
と留飲を下げたり、娘の結婚相手の実家に変な抵当権がついていたりしないか、といった調査にも用いられるそうです。それこそ芸名や通称名を使用している人の本名までわかってしまうのですね。

家を買った人に聞くと
「突然、家を売りませんかというDMが届きまくる」
という話も聞きます。
これは登記簿から業者が情報を得ているというわけです。

会社の登記簿情報が晒されているのは、まぁ社会の公器ですから一定の合理性があるとしても、不動産の登記簿情報は少しやり過ぎかもしれませんね。

銀行からの借金額まで出ていたりするので、家を買おうとされる方はそれなりの覚悟を持ってお国に晒されていただければと存じます。

日産の電気自動車「リーフ」を充電中の筆者

益満 寛志(ますみつ ひろし)元港区議会議員
1983年生まれ。明治大学商学部出身。学生時代に当時ブームだった「学生起業」を経験したチョット意識高い系。27歳で当時存在した幻の政党「みんなの党」から港区議選に出馬し、まさかの当選。1期を務めたのち、次の選挙には出ずに無職となり貧乏隠居生活を満喫中。

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