政治・行政・住民の新しいパートナーシップ

2018年11月25日 11:30

先週末、福山市を流れる一級河川、芦田川の河川敷を整備する「千代田地区かわまちづくり」の起工式に出席しました。芦田川とその河川敷から広がるその景色は、子供の頃からの思い出に溢れており、これから生まれ変わる河川敷に立って、今日まで地元の仲間たちと積み上げて来た日々を思い、胸に熱いものがこみあげました。

2020年3月の完成を目指して、芦田川の河川敷は、かつての競馬場跡地に建設中の新しい総合体育館とともに、市民の新しい賑わいの場所に生まれ変わります。バーベキューやスケボー、BMXなどで自由に遊べるようになり、住民から出されたアイディアを元に、ウォーキングやランニング大会などのスポーツイベントや、バーベキュー場、福山伝統の火祭り「とんど祭り」の会場になることなどが企画されています。

今回のプロジェクトについては、福山市以外の皆さんにも、住民、行政、政治の三者の新しいパートナーシップの姿、新しい地方創生のフレームワークとして、ぜひ参考にしていただきたいのです。

「景色を変えること」を志向する

6年前、政治家になることを決意した私は、東京から福山に戻り、私たちのふるさとのこれからについて仲間たちと何度も議論しました。雇用の確保、教育および医療・介護の充実で安心を担保することの重要性はもちろん、この街で家族や仲間と暮らすことが楽しいと思える、そんな地域の姿を思い描きました。

そして、皆がそこはかとなく抱えている、人口減少やテクノロジーの進展など、避けられない時代の変化への不安を、むしろ前向きに捉え、私たちのふるさとを前向きに進化させていくために、何か象徴的に、生まれ変わる街の景色を見てもらう必要性を感じました。そしてそれは誰かに与えられたものより、自分たちの手で変えた景色のほうがよいのではないかとも思いました。

問題は、住民や地域の行政の皆さんに、これまで当たり前にある目の前の景色を変える、ということを、まずはどう志向してもらうか、ということです。

従来、街作りと言えば、住民が「こんな施設が欲しい」と地元の政治家に陳情する→政治家の役割は行政に働きかけて予算を獲得するところまで。その後のことは与り知らず、住民にとっては先の見えない時間と人手とそれに伴うコストが延々とかかるサイクルで、挙句ケースによってはその後役所任せになってしまい、住民が街づくりにコミットしている実感に乏しく、出来上がる頃には住民ニーズと微妙にズレたバラマキになったりしてしまう欠点もあります。

何とかこの陳情型の昭和フォーマットを一旦忘れて、平成の次の時代を見据えた、共同解決型の”福山フォーマット”で新しい景色を皆んなで見ることができないか—- それには私自身がこれまでと違う政治家の動きをすることから始めようと思ったのです。

それぞれが役割を担う

今回、政治家としての私の役割は、住民と行政を繋ぐ、「コーディネーター」でした。地元住民の「地域の為に何かしたい」という思いやアイディア、ノウハウや経験、行政の制度や予算というそれぞれの役割を繋いで、進捗管理をする、誰が拾うべきかわからないボールをとりあえず拾いながら、ともに創り上げていく場を整えていきました。

大学生、会社員、経営者、政治家 など多彩なメンバーで、「芦活部」という住民の有志チーム(現在30名)を結成。2014年から河川敷で「大人の大運動会」を開くなど、目に見える活動を継続的に開催し、それを元に市や国と、芦活部を含む市民団体で「あしだがわ利活用推進委員会」を発足させました。その後、あしだがわ利活用推進委員会で会議を重ね、今回の整備計画となりました。大土井部長はじめ、粘り強く一緒に活動してくれたメンバーには感謝しかありません。

制度の有効活用を

今回、国交省が2009年に始めた「かわまちづくり」支援制度も活用しています。この制度は、景観、歴史、文化といった地域資源と、そこに住む地域住民の知恵を生かしながら、自治体や民間事業者、住民が連携して、新しい河川空間や街の空間をつくろうというものです。住民や民間事業者の創意工夫次第で、地域の河川空間の可能性を大きく広げることができます。すでに広島市の京橋川の河岸緑地で、全国初の河川空間の商業利用で、オープンカフェなどができて賑わいを見せています。

成功体験を仲間と共有し、次に繋げる

住民、行政、政治、それぞれが役割を担い、実現まで参画することで、自分たちのふるさとに貢献した実感や経験値を積み、「自分たちの街は自分たちでつくることができる」という成功体験を得ることができます。その成功体験からくる住民の自信が、次のプロジェクトを生み出し、地域が継続的に進化していくことに繋がるのです。

起工式当日、来賓という立場でしたが、芦活部の一員として、当日いつでも何でも必要に応じて参加できるよう、(備後のデニムファブリック製の) ジーンズとスニーカーで参加しました。それは、この場所が完成して終わりではなく、徹底的に活用し多くの人が故郷に住んでいて良かったと感じられる機会を作り続けることが重要だと考えたからです。

完成したこの場を活用する人たちが、この景色を見るたびに「街は自分たちでつくれる」という自信と故郷への愛着を感じられるような場になるよう、これからも活動していきたいと思います。


編集部より:この記事は、衆議院議員の小林史明氏(広島7区、自由民主党)のオフィシャルブログ 2018年11月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は小林史明公式ブログをご覧ください。

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小林 史明
衆議院議員(広島7区、自民党)

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