和酒(日本酒)を聞く(香る)ということ

2019年01月21日 18:00

「利き酒」というと日本酒を飲んで、味覚を比べるという意味になります。

以前体験した「香道」は、香木の香りを「聞く」(香ることを聞くと言います)ことによって比較をするということです。「香道」を体験した仲間での議論から、日本酒にも香りがあるから、この香りを「聞く」という比べがあっても面白いのではないか。それが「和酒を聞く会」として具現化しました。もちろん、日本酒の香りを比べることが中心であるけれど、最後は舌で味合う事も行います。

タイトルは「春待の宴」。その意味合いは、師走を典雅に「春待月」と言い、残り少ない「し果つる月(師走)」のあわただしさではなく、近づく佳き新春を待つ月と、文人茶人香人は言ったそうです。

年のうちに春はきにけりひととせを去年とやいはん今年とやいはむ(在原元方 古今和歌集)

会のプログラムは3部構成で、座学「和酒物語」、聞酒「壱之席 春待月(五酒)/弐之席 春立(五酒)」、唎酒「解題 十酒」です。座学では、清酒の歴史を学びました。

紀元前4世紀頃、稲作が日本に伝わり、それに伴い米を原料とする酒造りが始まったと言われています。奈良・平安時代には、宮廷に造酒司(さけのつかさ)という組織が置かれ、行事に麹を使用した米の酒が供されていたそうです。鎌倉から室町時代にかけては、寺院や酒造業者による醸造が盛んになり、課税源として重視したそうです。江戸時代には、現在の酒造技術が築かれ、大規模な酒造業が出現したそうです。

壱之席の五酒を聞く、それは最初に題材の日本酒が出て来て、その香りを聞き、覚えることから始まります。その香りをイメージと言葉に置き換えて、記憶していくのです。それから5種類の日本酒が出てくるので、それを聞き、何番目の日本酒が、題材の日本酒と同じなのかを当てるゲームなのです。

弐之席も同様です。壱之席を当てることが出来たのか、弐之席を当てることが出来たのか、両方とも当てることが出来たのか、それが参加者の成績表に書かれるのです。最も優れた成績を収めた人が、その成績表をもらうことが出来るのです。今回、2問正解者は1人でした。因みに僕は1問正解です。「聞く」ことに全てを集中すると香りの違いを感じてくるのです。

唎酒は10種類の日本酒を飲みながら、蔵元紹介、味の特徴、つくり方の特徴等の説明を受けるのです。味もそれぞれ特徴があり、言葉とイメージで体に浸み込ませることをやってみました。「和酒を聞く」という遊びは、ここから500年続けば文化となります。茶も華も香も、最初は遊びだったはずです。それがお手前となり、教える師匠が生まれ、流派が出来、長く続いて、今となって文化として受け止められているのではないでしょうか。

1月29日、日本香堂銀座本社ビルがリニューアルされ、銀座「香十」の香箱で、和酒を聞くという遊びが本格的にスタートします。タイムマシーンがあるのなら、500年後どうなっているのか、見てみたいものです。


編集部より:この記事は元内閣府副大臣、前衆議院議員、福田峰之氏のブログ 2019年1月21日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。

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福田 峰之
多摩大学客員教授、前内閣府副大臣、前衆議院議員

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