ベゾス氏「裸写真公開されても脅迫にノー」トランプ氏へ反撃か?

米アマゾン・ドット・コムのCEOジェフ・ベゾス氏は7日、米タブロイド紙ナショナル・インクワイアラーとその発行元アメリカン・メディア(AMI)から、自身の裸写真などの掲載に関する脅迫を受けていたとして、ブログサイトでそのメールのやりとりを公開した。

AMIの背後にトランプ大統領の存在が取り沙汰されており、巨大ネット企業の創業経営者と現職大統領の前代未聞の情報戦になろうとしている。

ベゾス氏は先月9日にツイッターで離婚を発表。その翌日にナショナル・インクワイアラーがベゾス氏とニュースキャスターのローレン・サンチェス氏不倫疑惑を報じ、私的なメールを掲載していた。

米アマゾン公式サイトより:編集部

ローレン・サンチェス氏(Wikipediaより:編集部)

ベゾス氏公開書簡の要約

ベゾス氏が本日公開した「結構です、ペッカーさん(No thank you, Mr. Pecker)」の内容を訳して要約すると、以下のとおり。

  • ナショナル・インクワイアラーは、脅迫によって私が申し出に応じる以外に道はない、と考えていたのだろう。つけあがってその内容をメールで送ってきたのだから。代わりに、私はそのメールを公開することに決めた。
  • AMIのデビッド・ペッカー会長は、トランプ大統領に不利な情報を買い取ってもみ消す「キャッチ・アンド・キル」に関与していた。ペッカー氏と彼の会社は、サウジ政府のためにも多くの活動を行なってきており、連邦捜査官やメディアの調査の対象となっていた。
  • ペッカー氏がAMIとナショナル・インクワイアラーを政治的な動機で利用してきたのは明らか。だがAMIはそれを否定し続けてきた。
  • 数週間前にナショナル・インクワイアラーが私の私的なメール文を掲載するまで、私は以上のことがよくわかっていなかった。どうしてメールが流出したのか、私はギャビン・デ・ベッカー氏らに調査を依頼した。
  • 私がワシントンポスト紙のオーナーであることで、一部の権力者が私を敵とみなすことは避けられないかもしれない。トランプ大統領のツイートの数々をみる限り、彼はその1人だ。
  • ワシントンポストはカショギ氏殺害事件も厳しく追及してきた。特定のグループは不快に感じていただろう。
  • 数日前、私たちはAMIの首脳陣の1人から、ペッカー氏が私たちの調査に「激怒」していると告げられた。その数日後、最初は口頭で申し出を受けた。彼らは私のメール文と写真をさらに持っており、調査をやめなければ公開すると言ってきた。
  • 私の弁護士は彼らに写真を公開する権利はないと伝えたが、彼らは写真やメールがCEOとしての私の判断を反映しており、ニュース価値があり公共の利益になるもので、株主たちに見せる必要があると主張してきた。
  • 2019年2月5日、AMIの最高コンテンツ責任者から受信したメール。タイトルは「ジェフ・ベゾス&ローレン・サンチェス氏の写真」。内容は、ベゾス氏らの自撮りの裸写真9枚を入手したことの通知と、それぞれの写真の説明。
  • 私の立場でこのような脅迫に立ち向かうことができなければ、何人の人ができるだろうか。同様の経験をしてきた多数の人々が私たちの調査チームに連絡してきた。
  • 仮にいま応じても、写真は手元に保管され続け、彼らにとって気にくわないことが将来起こればまた公開すると脅してくるだろう。
  • 私的な写真を掲載されたくはないが、政治的な攻撃や脅迫に屈したくもない
  • 2019年2月6日、AMIの法務副顧問から受信したメール。内容は7項目の条件提示について。「AMIの報道は政治的な動機に基づいて行われている」と言った主張には根拠がないと認めそうした可能性への言及をやめれば、AMIはメールや写真を公開しない、などの条件を含む。

ネットも朝から反応

本件は日本でも日経新聞などが報道し、ネットでも早速朝から話題になっている。

ベゾス氏とトランプ大統領の全面対決に発展か

またアゴラの池田も含め、本件へのトランプ大統領関与の可能性と今後の展開に注目すべきとの意見も多く見られた。

(※編集部注:トランプ氏のツイートは、実際には先月タブロイド紙がベゾス氏の私的メールを掲載したときのもの)