中山泰秀議員は「韓国で生まれなくてよかった」と言ったのか?

アゴラ編集部

韓国紙・中央日報は14日、日本の衆議院予算委員会で自民党の中山泰秀氏(大阪4区)が13日、韓国国会議長の問題発言を巡る質問の際に『「韓国で生まれなくてよかった」という趣旨で話した』などと報道し、ネット上では波紋が広がった。

日本議員「韓国人に生まれなくてよかった…大統領になっても死刑、逮捕、自殺」 | 中央日報

中山氏は報道を受け、ツイッターで「事実誤認やフェイクがあり、問題があると指摘せざるを得ません」と否定した。


実際の発言はどうだったのだろうか。衆議院インターネット中継で中山氏の質問の発言を確認してみた。当該の発言は質問の前振り、予算委動画の24分過ぎに収録されている。

お手元にお配りした資料を確認いただきたいと思います。これは先日来、「従軍慰安婦問題は天皇の謝罪の一言で解決される」。この文喜相(ムン・ギサン)という韓国の国会議長がまさにこういった、どうしようもない発言をしているということであります。報道が、もしこれが真実なのであれば非常に問題があり、日本人として非常に怒りを覚えるわけであります。

私は常日頃から日本に生まれて本当によかった。日本人でよかったと思っております。特に韓国で政治家なんかになって、まかり間違って大統領にでもなったらですね、必ずその末路は死刑か逮捕か、自殺か、みたいな常に裁判にかけられてしまうという、そういうお隣の国を見ていて、本当に心配になります。

その後の中山氏の質問をみても、中央日報の記事にあるような「韓国で生まれなくてよかった」との発言は確認できなかった。

しかし、ツイッター上では保守論客や右派系のアカウントを中心に、記事について「おれもそう思う」「事実」などと肯定的な意見が目立った。

これらに対し、少数派ながら、中山氏に批判的なアカウントも散見された。

なお、「韓国に生まれなくてよかった」という趣旨の発言を巡っては、元駐韓大使の武藤正敏氏が2017年、『韓国人に生まれなくてよかった』と題した著書を出版し、韓国メディアから「嫌韓本」と反発を呼んだだけでなく、日本国内の保守派の一部から苦言もでるなど、物議を醸したことがある。

中山氏はたしかに「韓国に生まれなくてよかった」とは述べておらず、日本メディアでは14日17時現在、本件を問題視する報道は見られておらず、国内で炎上が広がる可能性は低そうだ。しかし、ネット上の右派層が手放しに喜んでいるあたり、「日本に生まれて本当によかった」との発言に、「韓国で生まれなくてよかった」との“含意”があると受け取られる余地が皆無とは言えまい。

文議長の問題発言や開き直りも問題だが、韓国側や日本国内の左派に揚げ足を取られるような発言には注意する必要がありそうだ。