黒田総裁にMMTの認識をただしてみた!

2019年05月13日 06:00

以下、令和元年5月9日の財政金融委員での私と黒田日銀総裁との質疑の議事録から、MMTの話題を中心にご紹介いたします。質問通告を出してあったのに、黒田答弁は全部において極めて苦しかったと思います。ご自身でも苦しい答弁であることは充お分かりかと思います。もう異次元緩和の出口が無いのが明々白々ですから。

参議院インターネット中継より:編集部

藤巻 次の質問通告をした質問に入りますけれども、MMTについて。これ、先ほどもう既にいろいろ話が出てきて、回答も聞きました、MMTについての回答を聞いた、どう思っていらっしゃるかということを聞いたんですけれども、先ほど総裁がおっしゃったように、MMTというのは、自国通貨建てで借金をしている限りインフレが加速しなければいつでも借金を大きくしても大丈夫だという理論だったというふうに、総裁おっしゃったとおり、私もそう思います。

で、なぜ自国通貨なら大丈夫なのか、彼らが言っていることですけどね、他国通貨で発行したらどうして駄目なのか教えていただきたいんですが。

黒田 それは非常に単純な話だと思います。先進国は余りしておりませんけど、途上国は外貨建ての国債、外貨建ての社債、外貨建ての銀行の借入れ等がありますので、それの返済のためには、経常収支黒字でお金が入ってくる、あるいは資本がたくさん流入してくる、あるいは外貨準備が十分あるということがないと、まさにアジア通貨危機であれメキシコ通貨危機であれ、様々な金融危機、通貨危機というのは外貨建ての債権の返済が滞ってなっているということでありますので、そういう意味では外貨建ての国債と自国通貨建ての国債とは性質が異なっているということは事実だと思います。

藤巻 そうですよね。日本が例えば百億ドルの国債を発行したとすると、1ドル100円のときは一兆円が調達できるわけですけど、満期が来て百億ドル返そうと思った、そのときに1ドル300円だったら三兆円が必要ということで資金繰り破綻しちゃう可能性がある、だから他国通貨建てでは財政危機のリスクがある。しかし、自国建て通貨を発行している限り、中央銀行は紙幣を刷れますから、だから破綻しないというのがMMTだと私は思うわけですね。要するに、紙幣をどんどん発行するためには中央銀行は何か資産を買わなくちゃいけないんで、そのときに発行された国債を買ってお金をばらまいていくということだと思うんです。

で、私もそれは、だからそういう意味で言うと、自国通貨建てで発行していれば財政は破綻しないです、当たり前の話です。しかし、日銀が刷りまくるということによってハイパーインフレが起こっちゃうと、こういうリスクがある、これがMMTに対する一番の批判だと思いますし、これ、大門さんが後で、資料配っていらっしゃいましたけど、これ一ページしか付いていませんけれども、MMTについてはもうこれ三ページぐらい、たしかこの4月17日の資料がたくさん出ていて、この大門さんの配られた資料ではクルーグマンとかパウエルとかシラーだけですけれども、これ、あとサマーズとかイエレンとかもうそうそうたるメンバーが何十人と反対意見言っていますよね。基本的にはやっぱりMMTをやるとハイパーインフレになってしまうという批判だったと思うんですけど。

そういうことで、私もMMTというのは大反対であるんですが、じゃ、このアメリカの重鎮たちが大反対している、こんなことをやっていたらハイパーインフレになっちゃうよということを日本は異次元緩和でやっているんじゃないですか。まさにケルトン教授は日本は実験中であるとおっしゃっているんですから、MMTを実行しているのは日本であり、そしてアメリカの重鎮はみんな危ないぞというふうに言っているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

黒田 この点については全くそうでないというふうに考えております。

まず第一に、MMTの議論で言われているのは、言わば財政赤字とか債務残高を全然考慮しないで、言わば大量にというか無制限に国債発行して減税や公共事業に充てると、その国債を中央銀行に全部引き受けさせてやっていくという議論でして、そうなったら当然ハイパーインフレーションのおそれがあるということで、到底米国の学会でも受け入れないわけであります。

私どもが現在やっていることは、財政当局は財政政策として機動的な財政運営をしつつ、中長期的な財政の持続性を確保するための財政再建の努力というものを引き続きやっておられて、それが十分な成果を上げることを期待しているわけですし、私ども自体は、2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するために大胆な金融緩和をしているわけですけれども、国債も、あくまでも市場で流通している債券の一番大きな債券であり、重要な債券である国債を自主的に市場から購入しているということで、MMTの考えているようなことをやっているということは全くありません。

藤巻 全く分からなかったんですけどね。私は、全く同じことを日本が、MMT理論を全く実行しているというふうに取れるんですが。

今、黒田総裁がおっしゃっていた財政事情を考慮せずに国債を大量に発行した。日本は世界最悪の赤字国ですよ。対GDP236%の赤字発行しているんですから、もう一番最悪の状況なのに赤字国債を発行し、それを実質日本銀行が引き受けているのに、まさにMMTを実践しているというふうにしか思えません。


編集部より:この記事は、経済評論家、参議院議員の藤巻健史氏(比例、日本維新の会)のFacebook 2019年5月12日の記事をアゴラ用に加筆・編集したものを掲載しました。藤巻氏に心より御礼申し上げます。

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藤巻 健史
経済評論家、参議院議員(比例、日本維新の会)

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