セルフ型水素ステーションは始まっている

2019年05月16日 06:00

セルフ充填準備作業研修を受けにENEOS綱島水素ステーションに訪問しました。水素エネルギー社会を構築するためにはFCV(燃料電池自動車)が社会に当たり前のように受け入れられることも重要です。その為には水素ステーションが各地に存在することが前提でなくてはいけません。

「FCVの生産が先か、水素ステーションの整備が先か」。

この卵か、鶏かの議論は終止符が打たれ、水素ステーションを整備していく事が先行されています。FCVの台数がまだまだ少ない事もあり、建設費や運営費の補填を官民挙げて行っているのです。

セルフ充填は運営費を削減していく為の重要なステップなのです。水素エネルギー社会を構築する為の規制改革の1つとして、安倍総理が常に事例に出すのが、このFCVセルフ充填の話です。本格的なセルフ充填を全国で展開していくための事例の積み上げが、この綱島水素ステーションで行われています。一般財団法人石油エネルギー技術センターが制定した「セルフ充填ガイドライン」に沿って、ステーション運営事業者と水素充填準備作業を行う契約を結んで、安全講習を受講して、初めてセルフ充填を行うことが出来るのです。

ポイントはあくまで「水素充填準備作業」という括りになっていることです。ディスペンサーからノズルを外してFCVに取り付けることは、その場で出来るのですが、実際に充填する為のスイッチONは、その場から離れた事務棟で行っています。FCVから離れて事務棟に移動するには手間暇がかかるので、手前の準備作業の委任を受けることになっているのだと思います。将来、充填開始のスイッチONがディスペンサー側で行えるようになれば、ルールが変わるかもしれません。

先ずは、水素ステーションに併設されている「スイソテラス」で委任の条件や委任事項等の契約に関する説明を受けて、同意書に署名をします。次に実際のディスペンサー付近で、禁止事項や非常時対応の説明を受けて、充填作業の手順を実施で学び、受講修了書に署名をします。トータルで30分くらいでしょうか、セルフ充填準備作業を行うことが出来る会員カードを受け取り、実際の充填になります。

セルフ可能のディスペンサーには、ノズルを落としても地面に落ちないようにサポート用コードがつけれられています。水素用のノズルは、ガソリン用のノズルよりかなり重いので、自らの経験に基づく想定とは異なるが故の対応です。これはセルフでないディスペンサーには付いていないものです。もちろん次回以降は、この会員カードと免許証を提示すれば充填準備作業を受講無しで行うことが出来ます。

トヨタMIRAIに水素を充填し、併設されている「スイソテラス」を見学しました。1階は機材や新素材の説明、ディスペンサーの模擬体験コーナーがあり、2階は水素エネルギー社会や水素ステーションの説明動画が見ることが出来るスクリーン付きのルームになっています。内部照明等の電気は、外に設置されているパナソニック製の純水素燃料電池によって供給されています。

僕が訪問した日も海外からの視察団が来ていたようです。水素エネルギー社会の構築は、二酸化炭素削減と言う環境的側面、エネルギー安全保障とう経済的側面、エネルギーによる争いを無くすという世界平和という側面があります。ステーションが全国で整備され、FCVが当たり前の様に街を走る水素エネルギー社会になるための大切なステップが、このENEOS綱島水素ステーションで始まっています。水素エネルギー社会は着実に進んでいます。


編集部より:この記事は多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授、福田峰之氏(元内閣府副大臣、前衆議院議員)のブログ 2019年5月15日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。

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福田 峰之
多摩大学客員教授、前内閣府副大臣、前衆議院議員

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